
手術2日目はついにリハビリ開始。片松葉デビューとCPMの一日
どうも!えすひろです。前十字靭帯再建術と半月板の手術から、いよいよ2日目に入りました。
この日から本格的なリハビリがスタートします。まだ点滴も続いているし、右足はパンパンに腫れているし、正直「歩くなんてムリでしょ…」という状態です。それでもこの日から、退院に向けた一歩を踏み出すことになります。
点滴が終わって、ようやく「患者からリハビリモード」へ
午前中はまだ腕に点滴用の針が入ったままで、基本的にはベッド上生活です。朝6時と13時に点滴が入り、13時の点滴が終わったところでようやく針を抜いてもらえました。
この針が抜けた瞬間は、本当にほっとしました。地味なんですけど、ずっと刺さっている違和感って、けっこうストレスなんですよね。
そして同時に、こうも思いました。
「あ、ここから本格的にリハビリが始まるんだな…」
リハビリ室までの道のりからすでに試練
午後になると、ついにリハビリ開始の時間です。
とはいえ、ベッドから立ち上がるのも一苦労な状態。膝はまっすぐ伸びきらず、曲げるのも怖い。そんな状態でも、まずは自力でリハビリ室まで歩いていかなければいけません。
松葉杖で歩くのはまだまだぎこちなくて、ほんの数十メートルの移動がものすごく遠く感じました。リハビリ室に着くころには、もうひと仕事終えたような疲労感です。
初日のリハビリメニューと膝の状態
この日のリハビリメニューは、かなり地味だけど精神的にくる内容でした。
- 膝の曲げ伸ばしの練習:10分 × 3セット
- 膝に軽いおもりを乗せて待機:10分 × 3セット
- 合間合間でアイシング(氷のうで冷却)
これをこなすと、あっという間に2時間コースです。
当時の膝の状態はというと、
- 完全に伸ばしきることができず、だいたい 10度くらい曲がったまま
- 曲げる方も 70度くらいまでしか曲がらない
ここから少しずつ可動域を広げていくのですが、これが本当に痛い…。力を入れようとしても筋力が落ちていて、そもそも力が入りません。
「足をまっすぐ伸ばして、かかとを少し持ち上げる」
健康なときなら何ともないこの動きが、術後2日目の膝にはかなりハードルが高い動きです。手術した部分に少し触れただけでも痛いのに、その膝を自分の力で動かさなきゃいけない。「そりゃ痛いよね」と自分で突っ込みたくなるレベルでした。
退院時には「0度〜120度まで曲げ伸ばしができること」が一つの目標と言われていましたが、当時の感覚では
「12日くらいの入院でそこまで行くなんて絶対無理じゃん…」
と、本気で思っていました。
まさかの一言「片松葉で歩いてみようか」
リハビリメニューをひと通りこなしたところで、リハビリの先生からまさかのひと言。
「じゃあ、松葉杖片方外して、なるべく普通に歩いてみようか」
心の中では、
「は?何言ってるのこの人!? 足つくだけで痛いのに、歩けって!?!?」
という感じです。
とりあえず片方だけ松葉杖を外して歩いてみるものの、右足にはほとんど力が入らず、実質「左足+松葉杖」で歩いているような状態でした。
そこでさらに追い打ちの一言。
「いつもそんな歩き方してる?違うでしょ?」
いやいや、そりゃそうなんだけどさ…と内心ツッコミつつも、痛みをこらえて一歩一歩前に進んでみます。
すると意外なことに、
「痛いは痛いけど、思ったほど“踏み出すたびに痛みが増えていく”感じではない」
ことに気付きました。
リハビリの先生はドヤ顔で、
「ほら、いけるじゃん!」
という感じでしたが、こっちはそれどころじゃなく、歩くことに必死で途中からイラっとした気持ちすら忘れていました。
こうして、あっさりと「両松葉 → 片松葉」に昇格(?)することに。片手が空くのは便利ですが、正直ものすごく不安でした。
リハビリ後のご褒美タイムと、入院生活の小さな楽しみ
リハビリが終わったあとは、部屋に戻る前に少しだけ病棟の外に出て、気分転換をするのが日課になっていきました。
当時はまだタバコを吸っていたので、リハビリのついでに喫煙所で一服してから部屋へ戻る、という流れがいつものルートに。
広いシャワー室で、3日ぶりの洗髪
この日は、リハビリのほかにもう一つうれしいイベントがありました。
「広いシャワー室で洗髪OK」が出たのです。
まだ傷口周辺は濡らせないので、頭だけのシャンプーでしたが、それでもかなりスッキリしました。よく考えたら手術前日から数えて3日ぶりの洗髪でした。
全身シャワーが解禁されるのはもう少し先ですが、「ああ、少しずつ普通の生活に近づいてるんだな」と感じられた瞬間でもあります。
CPM(持続的他動運動)で膝をゆっくり動かす
そして、術後2日目からはCPM(持続的他動運動:Continuous Passive Motion)という機械もスタートしました。

- 朝と夕方の1日2回
- 1回30分ずつ
- この日は「10度~65度」の範囲で膝を曲げ伸ばし
自分で力を入れるリハビリと違い、CPMは機械がゆっくりと膝を動かしてくれるので、どちらかというと「ちょっと気持ちいいストレッチ」に近い感覚でした。
最終的には「-3度~120度」の範囲まで動かすようになるらしく、いろいろなブログを読んでいると
「そのあたりの角度からが本気で痛い」
と書いてあることが多く、本当にそこまでいけるのか不安で仕方ありませんでした。
自分で包帯を巻くという新たなハードル
この日からは、足の包帯も自分で巻くようにと言われました。
腫れを抑えるために、つま先から太ももまで3本の包帯を使ってしっかり固定します。
ところがここでも問題が。
- 膝がしっかり曲がらない
- 足の裏に手が届きにくい
- 包帯を巻いている途中に、手が傷口付近に当たるとそのだけで激痛
そんな状態なので、最初は包帯を巻くだけでも一苦労でした。
でも、コツさえつかめばだんだん楽になってきます。
私の場合、最初は人の話をあまり聞かずに自己流でやろうとして余計に苦労したタイプです…。素直に教わった方が絶対に早いです(笑)
包帯の意味や巻き方については、別の記事で詳しくまとめています。
夜はよく眠れたけど、アイシングがぬるくなるたびに目が覚める
1日前と比べると体はだいぶ楽になってきて、リハビリで適度に疲れることもあって、この日の夜も思った以上にぐっすり眠ることができました。
入院生活というと「暇で寝られない」というイメージがあるかもしれませんが、リハビリが始まると意外と忙しくて、昼寝している余裕はあまりありません。
とはいえ、まったく問題がないわけではなくて、
- 膝にはアイスバッグを当てて冷やしたまま寝る
- 冷えが甘くなって膝が温まってくると、じわじわ痛みが出てくる
- 痛みで何度か夜中に目が覚める
こんな状態がしばらく続きそうだな…と、少しだけ憂うつにもなりました。
それでも、
「少しずつだけど前に進んでいる」
という実感が出てきたのが、この手術2日目の大きな変化だったと思います。
※ここに書いているのは、あくまで当時の僕の体験談です。
実際のリハビリや治療方針は、必ず担当の先生や理学療法士さんと相談して決めてくださいね。

