前十字靭帯再建術後の抜釘(ばってい)は必要なのか?

前十字靭帯再建術後の抜釘(ばってい)は必要なのか?

前十字靭帯再建術後の抜釘(ばってい)は必要?

前十字靭帯再建術を行うと脛骨(すねの骨)に靭帯を止めるためにボルトを埋め込まれます。
埋め込まれるボルトはチタン製で人体には影響がなく、抜釘(ばってい)手術をする、しないは任意となります。

 

それでは何を基準に抜釘手術をするかしないかを決めたらいいのでしょうか?


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ボルトがある日常生活での影響

日常生活を送るうえでボルトがどのような影響を与えるのでしょうか。

 

1. 触った時に謎の感触がある。

ひざ下の傷周辺ですね。

 

手で軽くなぞってみるとボコッと感触があります。
しかし、飛び切り痛いというわけではなく何かがあるなーという感覚くらいです。

 

2. 歩いたり走ったりすると少し痛む時がある。

ボルトが骨や神経を刺激することがあります。
そんな時に痛む時があります。

 

人体への影響はそれくらいです。日常生活を送るうえで、特に気になることはありません。

 

私は飛行機が一番気になりました

ちなみに、私が一番気になったのは飛行機でした。
仕事で結構飛行機に乗ることが多いのですが、金属検査で毎度引っ掛かるのかと不安な時がありました。

 

全く不要な心配でした。チタンは金属探知機には引っ掛からないようです。

 

ボルトを抜く必要はないのか?

全くボルトを抜く必要がないのか?と言われると、一概に「そうです」と言えないときがあります。

 

それは痛みや違和感が強いときです。

 

基本的には痛くありませんが、人によっては強い違和感や痛みが出てきてしまうときがあります。
そういった人はボルトの抜釘手術を行います。また、体内に異物が入っているわけですから、思わぬところで炎症を起こす可能性もあります。

 

私のように手術後に半月板をまた壊してしまい、再手術が必要な人も抜釘手術をしてしまう人が多いです。

 

また、抜釘手術単独で行う場合、前十字靭帯の手術から8か月〜2年くらいまでの間しか手術はできません。
それは、ボルトが骨と完全に癒着したり、筋肉に覆われて手術が出来なくなってしまうからです。

 

ですので、抜釘手術を行うのでしたら最初の手術の時に決めておいた方がいいかもしれませんね。




前十字靭帯手術のちょっとした豆知識

ちなみに、すごい豆知識ですが、ボルトばかりが注目を浴びて、周りでよく「ボルト抜くの?」みたいな会話を聞きます。

 

実は前十字靭帯の手術の時に埋め込まれるのはボルトだけではありません。

 

手術した早期にしか見れませんが、太ももの外側に何かされた跡があったはずです。
その傷跡はそこに穴をあけて、抜いてきた靭帯を入れる入口の傷跡です。

 

傷口から骨を通って、脛骨を結び、反対からボルトで固定するのです。

 

そして、靭帯を入れた方の骨も何かが突っかからないと抜けてしまいます。
そこで小さいピンを埋め込み、靭帯を固定するのです。

 

この埋め込まれたピンは抜けません。
傷口が塞がると体の奥に入ってしまうので回収不可能になります。

 

もちろん、人体には影響がありませんのでご安心ください。

 

異物を気にするのは割と無粋ですね。

 

違和感が全くなければ無理してボルトを抜く必要はありません。

 

ボルトを抜く手術(抜釘手術)

ボルトを抜く手術は1時間ほどで終わります。

 

手術の様子は・・・見ない方が良いと思います。
私の時だけなのかもしれませんが・・・

 

手術は腰椎麻酔です。下半身麻酔ですね。
背中から注射を入れられ、麻酔を注入します。手術の痛み自体はこの時が間違いなく一番です。

 

麻酔が効くと抜釘の始まりです。埋め込んだ時の傷跡にまたメスを入れ、ボルトを抜く作業をするのですが・・・

 

すんなり抜ければいいのでしょうが、骨と癒着しているからなのかなかなか抜けません。

 

最終的にペンチのようなものでグリグリ引っこ抜かれるような感じでボルトを抜きます。
抜ける瞬間に癒着したところがはがれる音が激しくなります。

 

「べちん!」

 

という音です。

 

私は半月板の手術と同時に行いましたが、全手術を通して一番恐怖を感じたのがこの瞬間でした。

 

力任せに引っこ抜く先生、激しい音を発して取れるボルト・・・怖いです。

 

抜釘(ばってい)したボルト
抜釘したボルトです。結構大きいですよね・・・

 

手術後の回復は早い

抜釘術のみでしたら術後の回復は早いです。
2〜3日くらい入院するのが普通のようですが、日帰りで帰す病院もあるようです。

 

一応、体を深く切られているわけですから傷口が塞がるまでは入院した方がいいかと思いますけどね。
そして、経過が良ければ1か月ほどでスポーツ復帰もできます。

 

ただし、痛みはしばらくの間ある程度感じるのでそれは覚悟するしかありませんね。

 

抜いたボルト部分の骨の修復は7か月

2017年3月29日追記
ちなみにですが、ボルトを刺していたということは骨に穴をあけていたことになります。
この骨の穴が完全に修復するには大体7か月ほどかかります。

 

骨に神経はありませんので痛みはありませんが、手術間もない時期の強い衝撃は骨に影響がある場合があるのでしばらくの間は注意するようにしましょう。

 

以上、抜釘手術について話をさせていただきました。

 

無理して抜く必要はないことがわかると思います。まぁ・・・書いておいてあれですが、やっぱり抜けるものなら抜きたいですよね(笑)
最終的に決めるのは自分自身です。体験談を含め、参考にしていただければ幸いです。

 

余談ですが抜釘術の費用は3割負担で7万円〜8万円くらいです。

 


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