
どうも、えすひろです。
ここでは、前十字靭帯再建術と半月板縫合を受けた
「手術当日」のことを、できるだけリアルにまとめておきます。
これから同じような手術を控えている人が、当日の流れや雰囲気を
少しでもイメージできればうれしいです。
※この記事は筆者の体験談をまとめたものであり、治療法を勧める目的のものではありません。実際の診断や治療については、必ず担当の医師にご相談ください。
手術当日の朝のようす
手術前日は緊張と環境の違いもあって、結局深夜3時ごろまで眠れませんでした。
それでも不思議なことに、手術当日の朝はスッと目が覚めました。
病院の起床時間はだいたい6時前後。普段の仕事の疲れがないせいか、
入院中は早起きがそこまで苦ではなかったです。
看護師さんが毎朝起こしに来てくれますが、呼ばれる前に起きていた記憶の方が多いですね。
ただ、手術当日は朝から絶食。おなかはペコペコなのに、
食べてはいけない時間が続きます。
手術は午後からだったので、午前中は説明を聞いたり、
これからの過ごし方の説明を受けたりしながら、あとはひたすらボーッとしていました。
いよいよ手術室へ
昼過ぎ、いよいよ手術の時間が近づいてきます。
家族も病院に来てくれていましたが、それでも
「これから大きな手術を受ける」という実感はあまりありませんでした。
どこか他人事のような、不思議な感覚です。
歩いて手術室まで向かい、独特の緊張感のあるエリアに入っていきます。
手術室に着くまでは看護師さんがずっと話しかけてくれていたので、
そこまで不安は強くありませんでした。
麻酔と「眠るかどうか」の選択
手術室に入ると、先生から改めて手術の説明があります。
「モニターを見ながら手術の様子を確認することもできますし、薬で眠ってしまうこともできます。どちらにしますか?」
少し迷いましたが、最終的には「眠る方」を選びました。
自分の膝をいじられている映像をじっと見ている勇気もないですし、
見てもどうせよく分からないだろうな、という気持ちもありました。
腰椎麻酔の痛みと感覚の変化
前十字靭帯と半月板の手術は「下半身麻酔(腰椎麻酔)」で行われました。
手術前に点滴用のルートを取ってあり、そこから眠る薬を追加する形です。
問題は腰椎麻酔の注射。
背中に針を刺されるのですが、これは正直かなり痛いです。
「鋭い痛み」ではなく、ズーンとした鈍い痛みと、
なんともいえない不快な感覚が背骨のあたりに広がります。
しばらくすると足の方からじんわりと温かくなるような感覚が出てきます。
先生が濡れた筆のようなもので足をなぞりながら、
「ここ、感覚ありますか?」 と確認してくれます。
最初のうちはうっすら分かりましたが、数回なぞられるうちに感覚が ほとんどなくなり、そこで本格的に手術がスタートしました。
「寝てなるものか」と思ったけれど…
胸から下はカーテンで仕切られているので、実際に何をされているのかは見えません。
先生から
「じゃあ、眠くなる薬入れますね」 と言われ、
点滴に薬が追加されました。
手術経験者あるあるかもしれませんが、
「絶対に寝ないでおこう」となぜか変な対抗心がわいてきます。
もちろん結果は完敗で、数分もしないうちに意識はストンと落ちました(笑)。
手術中に一度目が覚めた話
気づいたとき、「病室に戻っているかな」と期待して目を開けたのですが、 まだ手術室の中でした。ちょうど終盤だったようです。
痛みはないものの、足がグッと引っ張られたり、押されたりするような
「動かされている感覚」だけは伝わってきます。
ちょっと不安になりつつも、声は出さずに様子をうかがっていました。
カーテンの上からチラッと覗いてみると、先生が僕の足を持ち上げて ぐりんぐりんと回しているところでした。
「そんなに動かすの!?」と心の中でつっこみつつ、 すぐに見るのをやめたのを覚えています(笑)。
無事に手術が終わったあと
体はとにかく重くだるく、意識もぼんやりしていましたが、 手術が無事に終わったことを告げられます。
ベッドのまま病室へ運ばれていく途中、心配そうにのぞき込む家族の顔が見えました。
そのあとまたすぐ眠ってしまい、次にしっかり目が覚めたときには
もう病室のベッドの上でした。
予定より長引いた理由
手術時間は事前の説明だと「2時間くらい」と言われていましたが、 実際には3時間半ほどかかっていたようです。
後で先生に聞いたところ、想像以上に半月板の損傷がひどく、
修復に時間がかかったとのことでした。
2回目の大きなロッキングを起こしていたので、
それだけ傷みが進んでいたのだと思います。
手術直後の食事と体調
看護師さんから 「夕食、食べられそうですか?」 と聞かれ、そこで初めて自分がおなかペコペコだったことを思い出しました。
胃の動きも問題なかったようで、その日の夕食は食べることができました。
人によっては麻酔が長く残って気分が悪くなり、全然食べられないこともあるそうですが、
僕はそこは意外と平気でした。
とはいえ、全身のだるさはかなり強くて、 ご飯を食べ終わるとすぐにまた眠気が押し寄せてきました。
手術後に言われた大事な注意点
夕食前後に、手術後の過ごし方についていくつか注意点の説明がありました。
1. できるだけ頭を上げない
腰椎麻酔の影響を抑えるため、当日から翌日の夕方くらいまでは
なるべく頭を高く上げないようにと言われました。
起き上がりすぎると気分が悪くなったり、頭痛が出ることがあります。
2. 翌日までは歩かない
これはそもそも「歩けない」の方が正しいです。
手術した足にはドレーンや器具が付いていて、物理的にも起き上がるのはほぼ不可能。
無理をすると転倒のリスクもあるので、ここは大人しく寝ているしかありません。
3. できれば排尿をする
麻酔の影響で尿が出にくくなることがありますが、
体の外に出してあげた方が麻酔も抜けやすいそうです。
ベッド横に尿瓶が置かれていて、そこに排尿するよう指示されました。
4. 足の強い痛みが出る可能性
「麻酔が切れてくると、手術した足がかなり痛くなると思います。
我慢できなければ遠慮なくナースコールしてください。」
そう言われていましたが、聞いた瞬間はやっぱり怖かったです。
夜中にやってくる痛みと腰のつらさ

消灯後、しばらくすると痛みとだるさで目が覚めました。
膝の鈍痛もつらいのですが、それ以上にきつかったのが「腰」でした。
ずっと同じ体勢で寝ているので、腰が砕けそうな感覚になります。
体の向きを少し変えてみたり、ベッドの角度を調整してみたりしても、
楽になるのはその場限り。根本的には何も解決しません。
たぶん、入院生活の中でもこの夜が一番しんどかったと思います。
それでも、痛み止めをお願いするタイミングがよく分からず、
看護師さんを呼んだのは排泄のときくらいでした。
包帯を外してしまい、看護師さんに怒られた話
夜中、うとうとしていたはずが、またふと目が覚めました。
なんだか妙に暑くて、ぼーっとしたまま起き上がり、
無意識のうちに足の装具と包帯を外し始めてしまったんです。
そこへ看護師さんが巡回に来て、現場を発見。
思い切り叱られました。
(この件は退院するまで、ことあるごとにネタにされることになります……笑)
当日は寝ぼけていたので、なぜ怒られたのかあまり理解できていませんでしたが、
今思えばかなり危ないことをしていました。
手術直後に自己判断で包帯や装具を外すのは本当にやめましょう。
手術当日を振り返って
こうして振り返ってみると、手術当日は
「緊張・不安・疲れ・痛み」が一気に押し寄せてくる一日でした。
それでも、無事に手術を終えて病室のベッドで横になれたときの
安堵感はとても大きかったです。
これから前十字靭帯再建術や半月板の手術を控えている方は、 当日の流れや雰囲気を、少しでもイメージしておいてもらえると 心の準備がしやすいと思います。
次の記事では、「手術翌日(術後1日目)の様子」について 書いていきます。

