
手術5日目、少しずつ「歩く」感覚が戻ってきた日
前十字靭帯・半月板の手術から5日目の朝を迎えました。
痛みはピークを越え、ズキズキするような疼痛はだいぶ落ち着いてきています。腫れも少しずつ引いてきていて、片松葉杖ではあるものの、右足にそっと体重を乗せられるようになってきました。
とはいえ、まだ普通に歩ける状態には程遠く、歩くたびに膝の中がジンと熱を持つのがわかります。
それでも「昨日よりは確実によくなっている」と感じられるようになってきたのが、この5日目あたりでした。
腫れが引きはじめた膝の様子
この日の膝の状態は、写真で見るとこんな感じです。

写真だとわかりづらいかもしれませんが、自分としては少しずつ腫れが引いてきた実感がありました。
包帯の跡がくっきり残っていて、「あぁ、ここまでぐるぐる巻きにされていたんだな…」と改めて感じます。
テープの一部にはペンで囲いがしてありますが、これは血のにじみ具合を確認するためのマーカーです。
内視鏡手術といっても、膝の中にはしっかりと傷がついています。にじみ出る血の範囲を日ごとにチェックして、落ち着いてきているかどうかを確認していました。
CPMで可動域のチェック。やりすぎも禁物
朝のルーティン(起床・検温・朝食など)が終わると、この日もリハビリ室へ向かいます。
まず行うのは、膝の曲げ伸ばしの確認です。
可動域は順調に広がってきていて、理学療法士の先生いわく「目標角度より少し上をキープできているから、かなり良好」とのことでした。
ただ、今回は半月板の縫合手術も一緒に受けているので、「曲げられれば曲げられるほど良い」わけではないという注意も受けています。
膝を深く曲げすぎると、縫いとめている糸に負担がかかり、最悪の場合は切れてしまう可能性があるからです。
そのため、CPM(持続的他動運動装置)の角度も、
「もう少し曲げたいな…」という気持ちをおさえつつ、指示された範囲内でおとなしく我慢していました。
地味だけどキツい、スクワット系のリハビリ
この日からリハビリのメニューが少しステップアップしました。
新しく加わったのが、1/4くらいの浅いスクワットをひたすら続けるトレーニングです。
「たかがスクワット」と思うかもしれませんが、術後5日目の足にはこれが本当にキツい…。
バスケットをしていた頃なら、半日やれと言われてもやり切れた自信がありますが、今は膝の中がまだボロボロの状態です。
それでも先生は容赦なく、時間いっぱいまでメニューを組んでくれます。
正直なところ、心の中では何度も
「つれーじゃねーか!!」
と叫んでいました。
スパルタだけど心強い理学療法士さん
担当してくれている理学療法士さんは、病院の中でもなかなか“スパルタ”な先生だったようです。
あとからほかの患者さんの話を聞いてみると、どうやら私だけメニューの濃度が違っていたようでした。
実際、同じ時間帯にリハビリ室に来ていても、先に来ていたはずの私が最後まで残っている、なんてこともしょっちゅう。
「なんで自分だけこんなに時間が長いんだろう…」と思いながらも、早く復帰したい一心で、必死にメニューをこなしていました。
このころから私はこの理学療法士の先生を「スパルタン先生」と心の中で思うことにしました。

リハビリがある日は、一日があっという間
午前のリハビリが終わると、病室に戻って昼食。少し休んだら、また午後のリハビリです。
この「リハビリ → 食事 → リハビリ」というサイクルを繰り返していると、気がつけばもう夕方になっています。
午後のリハビリでは、歩き方についても細かく指導を受けました。
痛みが怖くて、どうしても松葉杖に頼りがちな歩き方になってしまっていたのですが、ここでスパルタン先生から一言。
「普段、そんな歩き方してるの?」
…「あ、このセリフこの前言われたやつだ。」
痛みと怖さから、どうしても不自然な歩き方になってしまうんですよね。
できる範囲で杖への依存を減らしつつ、重心の位置や足の運び方を意識して歩く練習を繰り返しました。
良くなってきている実感と、「本当に復帰できるのか」という不安
こうして振り返ると、手術5日目の時点で
- 腫れと痛みは少しずつ落ち着いてきている
- CPMでの可動域も順調に広がってきている
- リハビリメニューも少しずつレベルアップしている
と、客観的にはかなり良い経過だったのだと思います。
それでも、心のどこかでは
- 「さっきの衝撃で、移植した腱は大丈夫だったかな…」
- 「本当に前みたいにバスケットに復帰できるのかな…」
と、不安がずっとつきまとっていました。
見た目には少しずつ良くなっていても、
スポーツに復帰できる未来を想像するには、まだまだ距離がある――。
そんなことを考えながら、疲れきった足をベッドの上で投げ出していたのを覚えています。

