とにかく痛い半月板手術の翌日|点滴トラブルと仲間の面会で過ぎた長い一日
点滴がうまく入らず、腕に何度も針を刺し直される痛々しいシーン。イラストはちょっと盛りすぎました(笑)

半月板手術の翌朝に襲ってきた強い痛み

どうも、えすひろです。2度目の半月板の再縫合と、前十字靭帯手術のときに埋めたボルトの抜釘が終わった翌日のお話です。

朝、目が覚めた瞬間にまず感じたのは「目覚めが悪い」というレベルではなく、ただただ膝がものすごく痛いという現実でした。

手術当日の夜に感じていたズキズキした痛みが、そのまま数段階パワーアップして膝全体を襲ってくるような感覚です。脈に合わせてズン、ズン、と鈍い痛みが続きます。

もちろん、歩くなんて無理です。体を少し動かしただけでも膝に響くので、ベッドの上でじっとしているしかありません。

そんな状態のなか、朝の検温と脈を測りに看護師さんがやってきます。こちらの顔色を見て痛いのは分かっているようで、少しだけねぎらいの言葉をかけてくれました。

この日以降の予定についても簡単な説明があります。

  • この日から杖を使ってトイレなどに自力で行くこと
  • リハビリは、退院前に一度行うだけで、それまでは特にないこと
  • 点滴はこの日の昼で終了し、針も抜ける予定であること

前十字靭帯のときは、CPMで膝を曲げる訓練をしたり、もっと「ザ・リハビリ」という感じだったので、正直、半月板だけだとこんなに違うのかと驚きました。

「膝を曲げる練習はしなくていいのかな?」という不安も少しありましたが、ひとまず病院の方針に従うことにしました。

動いていい範囲は広がったはずなのに、実際は痛みが強すぎて、何かをする気にはとてもなれません。この日は「やれることがない」というより、「痛くてやる気が起きない」一日の始まりでした。

昼の点滴で起こった小さな事件

午前中はただひたすら痛みと付き合いながら時間が過ぎていきました。お昼が近づいてくると、最後の点滴が始まります。

「これが終われば、腕の針ともお別れか」と、かなり嬉しい気持ちでした。

ところが、ぼーっと点滴のチューブを眺めていると、腕に違和感を覚えます。針が刺さっている部分の周りが、ぷくっと膨らんでいるのです。

慌てて看護師さんを呼ぶと、

「あら? 点滴がちゃんと入っていってないですね。血管から抜けちゃったかな?」

とのこと。どうやら点滴が血管に入らず、皮下に漏れてしまっていたようです。

その場で一度針を抜き、刺し直すことになったのですが、ここからがなかなかの地獄でした。

手首の甲側に刺そうとして、うまく入らない。

場所を少しずらして、もう一回。それでもうまく入らない。

さらにもう一回チャレンジしても、やっぱり入らない。

すでにトライ回数は3回。もちろんそのたびに痛いですし、さすがに体に力も入ってしまいます。

すると、

「ちょっと! 動かないで!」

なぜか怒られます。いや、動いてないです。

「そんなに力まないで!」

え?おれが悪いの?と、なぜかこちらが怒られる展開に。
心の中では、「いや、動いてないし、痛いから力入っちゃうんだよ…」と全力でツッコんでいました。

最終的に、今度は手首の掌側に針を刺すことになり、そこでも数回トライ。なんとか点滴が流れ始めてくれたときには、すでに手には小さな傷がいくつも増えていました。

この短時間で、手の甲と手首のあたりに絆創膏が6か所。あとから面会に来た人たちがそれを見て、「どうしたのこれ?」と驚くほどの見た目です。

正直、膝の痛みとは別ベクトルでしんどい10分間でした。

会社の“素敵な馬鹿野郎たち”からの差し入れ

若い男性患者を、おじさんと若い女性が見舞いに訪れて会話している様子のイラスト
お見舞いに来てくれた二人のおかげで、手術翌日のつらい時間が少しだけ和らいだ場面。

そんな点滴事件が一段落すると、今度は会社の同僚と上司が面会に来てくれました。

「元気かー?」

と聞かれても、正直まったく元気ではなく、膝の痛みで顔は引きつったままです。

同僚は女性、上司は男性。病室の中で、仕事の話や雑談を交えながら、たわいもない会話をしているだけなのですが、それでも痛みから意識をそらすことができ、すごくありがたかったのを覚えています。

しばらく話したあと、帰り際になって上司がカバンから何かを取り出しました。

「入院といえば、やっぱりこれが必要だろ?」

と、どや顔で差し出してきたもの――それは…どいつもこいつも大人の本でした。

しかも、入院初日に別の人からも全く同じ本の差し入れをいただいていまして、この時点で病室に「同じ大人の本」が2冊そろったことになります。

さらに追い打ちをかけるように、同僚の女性が、

「これ、私が買ったんですよ~。レジの後ろに親子が並んでて、ものすごく恥ずかしかったんですから!」

と真顔で言ってくるわけです。知るか!!

痛みで笑うと膝にも響くのですが、それでも笑ってしまいました。

こういうときに、あえてくだらないものを本気で差し入れてくるあたり、うちの会社には“素敵な馬鹿野郎たち”がたくさんいるなと心から思いました。同時に少し心配になったりもしていますが…それは内緒です。

会社の人にはあまり大げさに入院のことを伝えていなかったのですが、それでもわざわざ時間を作って会いに来てくれること自体、とても嬉しかったです。

差し入れの中身については、もう少し別の選択肢もあったのでは…と思わなくもないですが、それも含めて本当にありがたい存在でした。

痛み・ニコチン・夜の過ごし方

この日一日を振り返ると、とにかく膝の痛みが常にベースにある一日でした。

ベッドから起き上がるだけでも一苦労。杖をついてトイレに行くだけで汗をかくレベルです。

そして、もうひとつの問題が「ニコチン」でした。

前日の手術当日はさすがに我慢したのですが、この日はどうしても抑えきれず、痛む足をかばいながら、外の喫煙スペースまでなんとかたどり着いて電子タバコをを一度に数本吸いました。

途中で何度も「やっぱり戻ろうかな」と迷うくらいにはつらかったのですが、あのときは本当に必死でした。
病院には申し訳ない気持ちもありつつ、ここで正直に懺悔しておきます。

夜になると痛みはさらに存在感を増してきます。 この日も看護師さんに相談し、前日と同じように痛み止めと睡眠薬を服用しました。

痛みは相変わらず強いものの、薬が効いてくると徐々に輪郭がぼやけていくような感覚になります。ようやく「眠れそうだ」と思えたところで、静かに目を閉じました。

半月板手術翌日は、リハビリらしいことは何ひとつしていません。 それでも、点滴トラブルや、会社の仲間たちの差し入れ、痛みとの付き合い方など、内容としては濃い一日でした。

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