
半月板手術後の自宅リハビリは「毎日コツコツ続ける」が大事
「痛くてもできる範囲で頑張る」と決めた翌日から、多少の痛みや違和感はあえて気にしすぎないようにして、自宅でのリハビリを少しずつ再開しました。
足を持ち上げるとき、力を入れないと上がらない感じがあったり、「ここから先は怖いな…」と感じる瞬間もたくさんあります。正直、不安だらけです。
それでも、無理をしすぎない範囲で一つひとつの動きを確認しながら、なんとかメニューをこなしていました。
ここからは、当時私が自宅で実際に行っていたメニューをまとめておきます。あくまで「私の場合はこうだった」という体験談として読んでもらえたらうれしいです。実際のリハビリ内容については、必ず担当の先生や理学療法士さんの指示を優先してください。
自宅で行っていた半月板手術後のリハビリメニュー
自宅で行うリハビリは、基本的に入院中に教わったメニューの延長線上です。新しいことをいきなり始めるというよりは、「病院で教わったことを自宅でもコツコツ続ける」イメージでした。
あまりに痛みが強いときは無理をせず、一度休憩して落ち着いてから再開する、というスタンスで続けていました。
① 足の曲げ伸ばしで膝まわりをほぐす
いきなり筋トレから入るのは怖かったので、まずは膝まわりをほぐすような軽い動きから始めます。自分の中では「膝の準備運動」のような位置づけでした。
足の曲げ伸ばし(準備体操)
- 床に座り、足を前に伸ばした状態をニュートラルポジションにする。
- そこから、かかとを床につけたまま膝をゆっくり持ち上げていき、痛みを強く感じる一歩手前くらいまで曲げる。
- 限界の少し手前で止めたら、ゆっくり元の位置(足を伸ばした状態)に戻す。
- 戻したときに、膝の裏を床に軽く押し付けるようなイメージでギュッと力を入れる。
この流れを、休み休みになりながらも合計で10分ほど続けていました。
② 太ももまわりの筋トレ(足の上下運動)
準備運動が終わったら、いよいよ筋トレです。退院直後は筋肉がかなり落ちているので、最初は重りは使わず、自分の足の重さだけで行っていました。
座った状態での足上げ(SLR)
- 床に座り、足を前に伸ばした状態をニュートラルにする。
- 膝を伸ばしたまま、かかとを少し持ち上げ、そのままゆっくり上方向に持ち上げる。
- 持ち上げられるところまで上げたら、力を抜かずにゆっくり下ろす。
見た目は地味ですが、術後の足にはこれだけでも結構効きます。
うつぶせでの足上げ(股関節伸展)
- うつぶせになり、足を伸ばした状態からスタート。
- 片脚ずつ、膝を伸ばしたまま、ゆっくり持ち上げる。
- おしりからもも裏のあたりを意識しながら、無理のない範囲で上下運動をくり返す。
横向きでの足上げ(股関節外転)
- 横向きになり、手術した側の足が上になるように寝る。
- 上側の足をまっすぐ伸ばした状態から、ゆっくり真上に持ち上げる。
- 腰がぐらつかないように意識しながら、上下運動を続ける。
この3つ(SLR・うつぶせ足上げ・横向き足上げ)を、それぞれ20回×2セット行うのが、当時のルーティーンでした。途中でつらくなったら、回数を少し減らして調整していました。
③ ハーフスクワットで体全体を支える力を戻していく
ある程度足に力が戻ってきたら、全身を使うハーフスクワットもメニューに入れていました。もちろん、深くしゃがみ込むようなスクワットはまだ無理なので、あくまで膝に優しい範囲で行います。
ハーフスクワット
- 足は肩幅くらいに開き、足先はできるだけ正面を向ける(がに股・内股は避ける)。
- 胸を張り、上半身が前に倒れすぎないように意識する。
- 膝をゆっくり曲げていき、およそ60度くらいのところで止める。
- そこから、膝に負担をかけすぎないようにしながら、ゆっくり元の姿勢に戻る。
この動きを20回×2セット。調子が悪い日はセット数や回数を減らしながら、できる範囲で続けていました。
最初のころのメニューは、ここまでで終了です。リハビリの先生が言っていた、
「パッとやって、パッと終わらせる」
という言葉どおり、だらだら長時間やるのではなく、集中して短時間で終えるように心がけていました。
リハビリは「ひたすら筋トレを続ける」くらいの覚悟が必要
リハビリは、1週間や2週間で終わるものではありません。私の場合、このメニューをベースにだいたい3か月くらい続けました。
朝と晩、コンディションに合わせて回数を調整しながら、コツコツと積み重ねていきます。地味ですが、続けるほど少しずつ筋肉が戻ってくるのがわかりました。
3か月くらいたつころには、「どっちの脚を手術したんだっけ?」と一瞬迷うくらい、太ももの太さが近づいてきたのを覚えています。
筋肉は、ケガをしていなくても一晩でつくものではありません。リハビリも同じで、派手なトレーニングよりも、負担の少ないメニューを長く続けるほうが大事だと感じました。
重りを使ったトレーニングを始めたタイミング
ある程度動きに慣れてきて、膝の状態も落ち着いてきたころから、足首に重りをつけたトレーニングも追加しました。
私が使っていたのは、足首につけるタイプのウエイト(アンクルウエイト)で、2キロを2つ用意していました。

最初は片足2キロから始め、慣れてきたところで両足合計4キロまで増やしましたが、これはかなり負荷が高くなります。ケガをしていない人でも、それなりにきついレベルだと思います。
そのため、重りを使うのは「膝の状態が落ち着いてきてから」にしたほうが安心です。焦って負荷をかけすぎると、せっかく回復してきた部分にまた負担をかけてしまう可能性もあります。
神経の痛みが強いときは、本当に無理をしないほうがいい
私の場合は、途中からふくらはぎの神経の痛みも抱えることになっていたので、コンディションが悪い日はメニューを減らしたり、思い切って休んだりもしていました。
神経系のビリビリした痛みは、我慢して動かしても「良い疲れ」には変わらない感覚がありました。むしろ、やればやるほど痛みが増していくような印象です。
なので、
- 神経がビキビキと主張してくる日は、メニューを軽くするか中止する。
- 膝の中の手術部分が重い・張る程度のときは、様子を見ながらできる範囲で動かす。
というように、自分なりにラインを引きながら続けていました。
担当の先生からも、
「膝が固まってしまうのが一番やっかいだから、痛くない範囲で少しずつでも動かしていこう」
という話がありました。
怖さもありますが、膝の柔軟性を戻していくためには、ある程度のところで「動かして慣らしていく」ことも必要だと感じました。
リハビリ後はしっかりクールダウンして足をケアする
リハビリを終えると、手術したほうの足はかなり熱を持っていることが多かったです。そのままにしておくと、ズーンとした重さやだるさが長引くので、終わったあとは必ず冷やすようにしていました。
- 氷嚢(アイスバッグ)があるとベスト。
- なければ、保冷剤をタオルでくるんで代用する。
- 冷やしすぎないように様子を見ながら、膝まわりを中心にクールダウン。
クールダウンまで含めてがリハビリ、というイメージです。ここまでやってはじめて「今日のメニューが終了」と自分の中で区切りをつけていました。
焦るとどうしても「もっとやらなきゃ」と思いがちですが、リハビリは長期戦です。少しずつ負荷を増やしながら、膝と相談しつつ前に進んでいきましょう。
このときのコツコツとした積み重ねが、あとから振り返ると、本当に大きな土台になってくれていました。

