前十字靭帯再建術後の痛みはどれくらい?術後1週間のリアルな痛みとリハビリ体験談
手術直後の夜、右足を包帯で固定したまま枕で高く保ち、強い痛みに耐えていた当時の状況をイメージしたイラストです。

前十字靭帯再建術後の痛みはどれくらい?【私の体験談】

前十字靭帯再建術を受ける前、私が一番不安だったのが「手術後の痛み」と「すぐ始まるリハビリ」でした。

ネットで調べると、「全然痛くなかった」「すぐ歩けた」という声もあれば、「地獄だった」という声もあって、何を信じていいのか分からなくなると思います。

ここでは、私が実際に経験した手術直後の痛みの強さと、入院中に行ったリハビリ内容をまとめました。あくまで一人の体験談ですが、これから手術を控えている方の「覚悟づくり」の参考になればうれしいです。

治療やリハビリの方針は、必ず担当の先生や理学療法士の指示を優先してください。

手術直後〜夜にかけての痛みの流れ

前十字靭帯再建術の直後は、まだ麻酔がしっかり効いているので、そこまで強い痛みは感じませんでした。むしろ、「無事に終わったんだな」という安心感のほうが大きかったです。

ただ、本当に大変なのは麻酔が切れ始めてからでした。

麻酔が切れてからじわじわ痛みが強くなる

私の場合、手術が終わってからおよそ3時間後くらいから、なんとなく膝のあたりに違和感が出始めました。

  • 最初は「ピリピリ」するような軽い刺激
  • そのうち、血が通い始めるような「ドクドク」とした感覚
  • さらに時間が経つと、内側からドスドス叩かれているような「ズンズン」とした痛み

比喩表現ばかりになってしまいますが、イメージとしてはこんな段階を踏んで、痛みがどんどん主張してきました。

痛みでほとんど眠れなかった一晩目

夜になるころには、私にとっては「かなりつらい痛み」になっていました。

  • 点滴や管がついているので自由に寝返りが打てない
  • 膝のうずきが波のように何度も襲ってくる
  • 痛みでうめき声が出てしまうレベル

私は手術当日のこの夜はほとんど眠れませんでした。同室のベッドで、別の日に手術を受けた方も同じようにうめいていて、「ああ、みんな同じようにしんどいんだな」と感じた記憶があります。

痛み止めや睡眠薬を使うことについて思ったこと

我慢せずにナースコールを押してよかった

ここまで痛みが強くなると、「根性で乗り切ろう」という気持ちだけでは正直きついです。私も最初は変な意地があって、できるだけ薬に頼りたくないと思っていました。

でも、実際には看護師さんを呼んで痛み止めを出してもらい、睡眠薬も併用して何とか一晩をやり過ごしました。

  • 飲み薬の痛み止め
  • 必要に応じて座薬
  • なかなか眠れないときは睡眠薬

非常に嫌な言い方をすると、
数時間前には膝を切られたり穴をあけたりしていろいろな器具を入れて、こねくりまわされ、ふくらはぎにある筋を取って、骨に穴をあけて先ほどとった筋を通して、骨にボルトを埋められています。
そりゃ麻酔がなくなれば痛くなるはずです。その日を乗り切るためにはいろんなものを使っていいかと思います。

どれも「使ったからといって治りが遅くなる」ようなものではありませんし、その日を乗り切るための大きな助けになりました。

完全に痛みが消えるわけではありませんが、「叫びたいレベルの痛み」から「何とか耐えられる痛み」くらいには下がります。

「痛くなかった」という話をどう受け止めるか

ネット上には、

  • 「当日、全然痛くありませんでした」
  • 「2日目には普通に歩けました」

といった感想もあります。

もちろん本当にそうだった方もいるのかもしれませんが、私の周りで同じ手術を受けた人たちは、「楽勝だった」という人には出会いませんでした。もはや私はそういうのは嘘なんじゃないかとも思っています。

個人的には、「痛いものだ」と思って手術に臨んでおいた方が、現実とのギャップが少なくて済むと感じています。

手術直後から始まるリハビリの内容

ここからは、入院中に行ったリハビリの大まかな流れを、私の体験ベースでまとめておきます。病院や主治医によって方針は異なると思いますので、「こんなイメージなんだな」程度で読んでください。

手術翌日:ベッド上でできることからスタート

手術の翌日は、基本的にはベッド上で安静が中心でした。ただ、まったく何もしないわけではなく、簡単なリハビリが始まります。

  • 太ももの力入れ(大腿四頭筋にギュッと力を入れては抜く)
  • 膝の下に丸めたタオルを入れて、そこを押しつぶすイメージで力を入れる

正直、最初はほとんど力が入らない感覚でした。それでも、少しでも筋肉の感覚を取り戻すために、できる範囲で繰り返していました。

手術2日目以降:本格的なリハビリ開始

前十字靭帯と半月板の手術2日目に、片松葉杖でリハビリ室へ向かう男性
手術2日目。まだ膝は痛いけれど、ここから本格的なリハビリが始まりました。

2日目以降になると、リハビリ室に行っての訓練が始まりました。私の場合、最初の頃に行っていたのはおおむね次のような内容です。

可動域と筋力を取り戻すメニュー

  • 膝の曲げ伸ばし(角度を少しずつ広げながら)
  • 膝を伸ばした状態での足上げ(仰向けで片脚を上に持ち上げる)
  • 横向きになっての足上げ(左右それぞれ)
  • うつぶせになっての足上げ
  • 杖を支えにした、膝をほとんど曲げない浅いスクワット

これらをセットにして、休憩とアイシングを挟みながら、何セットか繰り返しました。
終わるころには数時間があっという間に過ぎている感覚で、リハビリだけで一日の大半を使っていた印象があります。

歩行練習:片松葉から杖なしへ

可動域と筋力のリハビリを進めながら、並行して歩く練習も始まりました。

  • まずは片松葉杖での歩行(杖1本+手術していない側の脚に体重を乗せる)
  • 術後1週間ほど経つと、杖なし歩行の練習もスタート
  • 退院前には階段の上り下りの練習も実施

「歩く」と一口に言っても、手術直後の体にはかなり負担が大きく感じられました。
それでも、少しずつ歩幅やスピードを調整しながら、「怖さ」と付き合っていくような日々だったと思います。

退院後もしばらくは松葉杖生活でしたが、術後およそ1か月弱で、なんとか杖なしで生活できるようになりました(もちろん、まだ引きずるような歩き方でしたが)。

CPM訓練:機械で膝を動かすリハビリ

手術後2日目からは、CPM(持続的他動運動)という機械を使ったリハビリも始まりました。ベッドに横になったまま、装置に膝を乗せると、自動的に一定の角度まで曲げ伸ばししてくれるものです。

  • 1回あたり30分前後を、1日2回
  • 最初は浅い角度からスタート
  • 慣れてきたら毎日少しずつ曲げる角度を増やしていく

痛みはありますが、「自分で力を入れて曲げる」のとは違い、機械に任せてゆっくり動かしてもらう感覚なので、個人的には「痛気持ちいい」に近い時間でした。

退院の目安として「膝が120度くらいまで曲がること」といった基準を聞いていたので、CPMはそのための大きな助けになったと思います。

私が実際に行ったCPMのメニューを一覧にしました。

  8:00~8:30 18:30~19:00
手術後2日目 15~60
(伸ばし~曲げ)
10~65
3日目 10~65 5~70
4日目 5~70 0~75
5日目 0~75 0~80
6日目 0~80 0~85
7日目 0~85 0~90
8日目 -1~95 -1~100
9日目 -2~105 -2~110
10日目 -3~115 -3~120

リハビリはつらいけれど、やった分だけあとで自分を助けてくれる

前十字靭帯再建術後の痛みもリハビリも、正直なところ楽なものではありませんでした。

  • 手術直後の強い痛みで眠れない夜
  • 思うように動かない脚にショックを受けた瞬間
  • 毎日続く長時間のリハビリ

それでも、今振り返ると、あのとき地道にリハビリを続けた分だけ、あとになって自分を助けてくれたと感じています。

サボればその分だけ回復が遅れますし、関節が固まったり、筋力低下が長引くリスクもあります。つらいからこそ、少しでも前向きに取り組めるよう、担当の理学療法士さんと相談しながら、自分のペースで進めていくのが大事だと思います。

この記事は、私一人の体験談です。痛みの感じ方やリハビリの進み方は人それぞれですし、病院によっても方針は違います。

それでも、「これくらい覚悟しておけば、少しは気持ちの準備ができるかもしれない」と思って書きました。これから手術を控えている方や、ちょうど術後の痛みに耐えている方の、心の支えの一つになれたらうれしいです。

また、体験記の方の体験記入院生活手術2日目はついにリハビリ開始。片松葉デビューとCPMで膝が悲鳴で当時の様子をもっとリアルに書いていますので、時間があれば見てみてください。

退院後から術後3か月程度の痛みなどは前十字靭帯再建術後1〜3ヶ月の痛みと回復の実感|歩行・腫れ・不安の変化をリアルに解説で確認できます。

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