前十字靭帯断裂と半月板損傷、それでも手術を選ばず復帰を目指したリハビリ開始の記録
手術を選ばず復帰を目指し、リハビリに臨むことを決めた瞬間のイメージ

どうも!えすひろです。前回の記事で、MRI画像と診察によって前十字靭帯断裂と半月板損傷の可能性が極めて高いことを告げられました。
本当はそこで一度折れてもおかしくない現実でしたが、当時の自分はまだ「それでも何とかなるんじゃないか」と思っていました。

このページでは、手術を決めきれないまま、復帰を信じて始めた手術前リハビリの内容と、そのとき感じていた膝の不安定さについて、できるだけ具体的に残しておきます。


可動域と筋力を取り戻すところから始まった

診断から数日たち、膝の痛みと腫れは少し落ち着いてきました。
そこで医師と相談しながら、復帰を見据えたリハビリを開始することになります。狙いは、

  • 膝の可動域を広げること
  • 落ちてしまった筋力をできる限り戻すこと

前十字靭帯や半月板に大きなダメージを負うと、まず膝が曲がらない・伸びないという現象が起きます。
正座なんて当然できないし、屈伸もまともにできない。
その状態からのスタートでした。

さらにショックだったのは、目に見えて太ももが細くなっていくこと。
長年一緒に戦ってきた足が、急速に弱々しくなっていくのを、ただ見ているしかない感覚は本当につらかったです。


ハーフスクワットと体重移動トレーニング

最初に取り組んだのは、痛みと相談しながらのハーフスクワット体重移動(荷重練習)でした。

  • ひざを90度まで曲げきらない浅めのスクワット
  • 左右の足にゆっくり体重を移していく体重シフト

元気なときなら何も考えずにできる動きなのに、これが想像以上にきつい。
特に体重移動では、ケガをした側に乗せる瞬間、膝が「スッ」と滑るような不安定な感覚がありました。

前十字靭帯が切れていると、太もも(大腿骨)とスネ(脛骨)をしっかりつなぎとめるものがなくなり、
筋力でカバーしようとしても「どこか頼りない」動きになります。
この嫌な感触は、リハビリを頑張っても簡単に消えるものではありませんでした。


ランニング再開、それでも消えない不安定感

リハビリを続けるうちに、2週間ほどで日常生活レベルの痛みはかなり軽くなってきました。
そこで次の段階として、軽いランニングを始めます。

最初は約1km程度から。
走り終わったあとには膝に少し腫れや重さが出ることもありましたが、 「ここで動かさないと復帰なんて絶対に無理だ」とわかっていたので、様子を見ながら距離を伸ばしていきました。

ランニングを始めてからも、

  • 体重移動の練習
  • スクワットなどの筋力トレーニング

は欠かさず継続していました。
復帰したい気持ちが強かったので、本当に毎日コツコツと続けていました。

その結果、1か月ちょっとで「走る」という行為自体には大きな痛みを感じないところまで到達します。
文字にすると順調そうに聞こえますが、ここまで毎日やり続けて、やっとです。

ただ、それでも膝の不安定感だけは消えてくれませんでした。


自転車に乗ったときに思い知らされた現実

膝の不安定さを一番はっきり感じたのは、自転車に乗っているときでした。

普通なら、ペダルをこぐときに片足で踏み込み、反対側の足は力を抜いてペダルが上がってくるのを待ちます。
ところがケガをした側の足で踏み込むとき、足は動くのに、ペダルを「スカッ」と踏み外してしまうことが何度も起きました。

感覚としては、階段を上がるときに「まだ段差がある」と思って足を出したら、もう段差がなくてガクンとなる、あの感じに近いです。

これがほぼ決まって右膝側だけで起きる。
そのたびに、 「ああ、本当に前十字靭帯は切れているんだな」 と現実を突きつけられたような気持ちになりました。

それでも当時の自分は、そこに飲み込まれたくなくて、 「不安定なら、筋力でねじ伏せればいい」くらいの勢いで、毎日体を動かしていました。


半月板に刻まれていたダメージ

後になって撮影したMRI画像を見返してみると、 この時点ですでに半月板にも大きなダメージが入っていたことが分かります。

半月板損傷が疑われる膝のMRI画像(内側半月板の断裂と変形)
当時のMRI画像(イメージ加工なし)。内側半月板の一部が裂け、めくれ上がっているように見える。

正面に近い断面の画像で、健側はきれいな三日月型を保っているのに対し、
損傷側は半月板が途切れ、裂けた部分がめくれ上がっているような形に見えました。

医師ではないので「ここが絶対こうだ」と断定はできませんが、
このめくれた部分が、のちに起こるロッキング(膝が引っかかって動かなくなる現象)の原因になっていたのだろうと感じています。

それでも当時の自分は、

  • できるだけ手術は避けたい
  • それでもバスケットボールに戻りたい

という思いが強く、目の前の不安定さを認めきれないまま、前に進もうとしていました。


それでも、諦めないで体を作り続けた

膝が不安定なのは分かっている。
半月板も傷んでいる可能性が高いのも分かっている。
それでも、当時は「ここで止まったらすべて終わる」ような気がしていました。

だからこそ、

  • 毎日の筋力トレーニング
  • フォームを意識したランニング
  • 膝周りのケアとアイシング

を続けながら、「この足でもう一度コートに立てる」と信じて進んでいました。

しかし、このあと待っていたのは、そんな気持ちを真正面から打ち砕く出来事です。
次の記事では、2度目のロッキングが起きて、ついに手術を決断するまでのことを書いていきます。


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