半月板手術の日の午後|強まる痛みと長い夜の記録
右脚を包帯で保護し、ベッドで安静にしている若い男性を描いたイラスト。夜は痛みとの格闘でした。

2回目の半月板手術が終わった直後のこと

半月板の手術の話が長くなっています。前回手術はしっかり寝たからでしょうかね。こんなことなら前回の手術もしっかり起きていればよかったです。私の2回目の半月板手術は、再縫合と、前十字靭帯手術のときに埋め込まれていたボルトの抜去まで含めて、だいたい2時間ほどで終わりました。体感としてはかなり長く感じましたが、時計を見るとまだ昼前。ようやく「終わったんだ」と実感できた瞬間でした。

下半身は腰椎麻酔が効いていてまったく動かせませんが、意識ははっきりしています。安心感と疲労感がどっと押し寄せてきて、ベッドの上でぼんやりと天井を眺めていました。

お腹は正直…手術直後の昼食

手術が終わると、すぐに「お昼どうしますか?」という話になります。朝から絶食だったので、お腹は正直にグーグー鳴っています。ただ、まだ麻酔が残っているので、お腹の動きに影響があるかもしれないと説明を受けました。

看護師さんが聴診器を当ててお腹の音を確認してくれます。

「ちゃんと動いていれば食べていいですよ」と言われてドキドキしていましたが、結果は…

見事なくらいお腹が鳴っていました。自分でもわかるくらいの存在感です。

「これなら大丈夫ですね」と笑われつつ、通常の昼食に加えて、手術後に食べられなかった人用の食パンとジャムもつけてもらえました。量は決して多くはありませんが、空腹の身には本当にありがたいご馳走でした。

一方で、足の感覚はまだ戻ってきません。頑張れば少しだけ持ち上がるものの、すぐにストンと落ちてしまう状態で、「あぁ、本当に手術したんだな」と実感させられます。

手術当日に言われた注意点

手術当日は、とにかく安静第一です。私が病院から受けた主な注意点は、次のようなものでした。

できるだけ頭を起こしすぎない

ベッドの角度は40度くらいまで、と説明を受けました。それ以上起こすと、麻酔の影響で気分が悪くなることがあるそうです。実際、少し上体を起こしただけでもふわっとした感覚があり、無理はしないほうがいいとすぐにわかりました。

歩こうとしない

これは言われなくても無理です。腰椎麻酔の影響で、手術していないほうの足もほとんど力が入りません。ベッドから立ち上がること自体が危険なので、この日はトイレも含めて「歩かない」前提で過ごしました。

水分と排尿で麻酔を体の外へ

麻酔は時間とともに体の外へ出ていきますが、その一部は尿として排泄されると説明を受けました。トイレまでは行けないので、尿瓶を使ってベッド上で排尿します。最初は少し恥ずかしさもありましたが、背に腹は代えられません。

麻酔が切れたらたぶん足が痛くなります

時間がたって麻酔が切れてきたら手術した箇所が痛くなってくると思います。脅しにしか聞こえませんでした。痛いときは薬を出しますという説明だったのですが、怖くなりますよね。

面会が気持ちの支えになった時間

昼食を食べて少し落ち着いたころ、今日手術だったことを知らなかった同僚が面会に来てくれました。麻酔が残っているので、きっと顔色はあまり良くなかったと思いますが、純粋に「来てくれた」という事実が心強かったです。

「大丈夫ですか?」と心配してくれる一方で、ちょっとした冗談を交えた会話もしてくれて、手術のことを忘れられる時間になりました。

そして、お見舞いの品として渡されたのはゴシップ誌と、なぜか大人向けの雑誌。前日に上司から似たような本をもらっていたので、ツッコミどころ満載です。

「大部屋なのにどうしろっていうんだ…」と心の中で苦笑しながらも、わざわざ時間を作って来てくれたことには感謝しかありませんでした。手術当日ということで気を使ってくれたのか、早々に帰っていき、そのあと手術の疲れが来たのか、すぐに眠りにつきました。

16時頃目が覚めて、もう寝れないからと体を起こすと頭は重く、ふらふらします。持ってきたゲームをやろうとしても目が回って全然集中できませんでした。どうしようかと考えていると、会社の顧問や母が順番に顔を出してくれました。滞在時間は短くても、誰かが来てくれるたびに不安や緊張が少しずつ和らいでいくのを感じました。

夕方から始まる痛みとの付き合い方

外がだんだん暗くなり始めるころ、足に変化が出てきます。そう、麻酔が切れてくるタイミングです。

最初はじんわりとした違和感程度だったのが、時間の経過とともに「ズキズキ」という痛みに変わり、さらに「ズン」と重く響くような強い痛みが周期的に襲ってきます。

起きているあいだはテレビをつけてみたり、ぼんやりスマホを触ったりして気を紛らわせていましたが、集中力はほとんど続きません。手術当日の夜はシャワーも禁止で、体を拭いてもらったあとはベッドの上でひたすら痛みと向き合う時間が続きます。

夜中のトイレ問題と、痛み止めに救われた夜

消灯の少し前、ふと「そういえば、まだ一度も排尿していない」と気づきました。そこから急に気になりだして、尿瓶を使ってみることにします。

ところが、出てくる量が想像以上でした。あふれたらどうしようとヒヤヒヤしながら、途中でやむなく中断。恥ずかしいので少し時間を空けて再チャレンジすると、これまたかなりの量です。体ってここまで水分を溜め込めるのか、と妙なところに感心してしまいました。

一方で、痛みのほうはどんどん増していきます。ズキズキした痛みに加え、脈と一緒にズンと響くような重たい痛みが混ざり、横になっていても落ち着きません。

しばらく耐えていると、様子を見に来た看護師さんに声をかけられました。

「痛みますか?」と聞かれ、素直に「かなり痛くて、眠れそうにないです」と答えると、痛み止めと睡眠薬を用意してくれることになりました。

薬が効き始めると、さっきまで頭の中を占領していた痛みが少しずつ遠ざかっていきます。完全に消えるわけではありませんが、「これなら眠れそうだ」と思えるくらいには軽くなりました。

こうして、なんとか長い長い手術当日の一日を終えることができました。

前十字靭帯手術のときのような大きなトラブルもなく、腫れはあるものの、看護師さんから聞いていたとおり「前回よりは少し楽かもしれない」と感じたのを覚えています。

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