
前十字靭帯再建後の抜釘は必要?判断ポイントと私の体験談
判断のポイント:違和感や痛みがあるか/再手術の予定があるか/日常生活やスポーツへの支障があるか、が一つの目安になります。
ACL再建術のあと、ボルト(固定材料)を抜くか残すかで迷う人は多いと思います。結論から言うと、抜釘は全員に必要ではありません。ただ、違和感や痛みが続く/スポーツで不安が残るなら、医師と相談して「抜く」という選択肢も現実的です。
私はまさにこのタイプで、スポーツ中の違和感と痛みの不安が消えず、最終的に抜釘を選びました。この記事では、抜釘を迷った理由・ボルトが入ったままの日常で感じたこと・手術当日の流れ・回復の目安・費用感を、体験談としてまとめます。
なお、前十字靭帯再建術を受けた当日の様子は別記事で詳しく書いています。
実際、固定材料を入れたままスポーツ復帰している人も多く、症状がなければ経過観察という判断になることも珍しくないようです。
ただし、私の場合は「スポーツ中の違和感」と「痛みの不安」があり、最終的に抜釘を選びました。
この記事では、抜釘をしない選択/する選択の判断基準と、実際に抜釘した体験をまとめています。
前十字靭帯再建術を受けたあと、私の脛骨には靭帯を固定するためのボルトが入ったままになりました。埋め込まれているのはチタン製で、私の場合は「そのままでも支障が出ないことが多い」と説明を受けましたが、抜釘(ばってい)という手術で取り出すこともできると説明を受けました。
「抜くべきか、そのままにするべきか」。私はしばらく迷い続けたので、ここでは迷ったときに感じたこと、日常の違和感、実際に抜釘したときの体験をまとめています。治療の方針ではなく、あくまで一人の体験談として読んでいただければと思います。
抜釘をしない選択肢(残す場合)
固定材料は「抜かなくても問題ない」とされることも多く、再手術を避けられる点はメリットです。一方で、違和感や突出感が続く人もいるため、症状の有無が判断材料になりやすいと感じました。
抜釘の主なリスク(一般論)
抜釘は比較的短時間で終わることもありますが、感染・出血・痛み・しびれなどのリスクはゼロではありません。適応は医師と相談し、症状や生活への支障度合いで判断するのが確実です。
ボルトが入ったままの日常生活で感じた違和感
触るとコリッとした感触がある
ひざ下の傷のあたりを触ると、皮膚の奥にコリッとした硬いものがある感覚がありました。強く痛むわけではないのですが、触れると「あ、ここにあるんだな」と実感します。
歩き方や動き方によってうずくことがある
長めに歩いたり動きが強くなったとき、ボルトのあたりがうずくような感覚が出ることがありました。生活できないほどではありませんが、動かし方に注意するようになりました。
飛行機の金属探知機は反応する?
私が一番気になっていたのは、飛行機に乗るときに金属探知機で引っかかるのではないかという点でした。しかし実際には一度も反応したことはなく、これは完全な杞憂だったと今では思っています。
「抜かなくてもいいのか?」と迷ったときの自分の気持ち
ボルトはそのままでも良いと言われましたが、実際のところは人それぞれだと感じています。私の場合は、
- 動きによってうずきが出る
- 半月板を再び損傷して再手術を受けた
といった理由が重なり、「このタイミングで抜いてしまおうかな」と考えるようになりました。
また、抜釘を単独で行う場合は、前十字靭帯手術からある程度の期間内に行う方がスムーズだと説明を受け、悩む一つのきっかけになりました。
前十字靭帯手術ではボルト以外の部材も使われている
手術後、太ももの横に小さな傷がありました。これは採取した靭帯を骨の中に通すために開けた穴の入口だったそうです。
靭帯は骨の中を通り、その出口側でボルトによって固定されます。そして、反対側では小さなピンのようなものでも固定されていると説明を受けました。これは時間が経つと体の奥に入ってしまうため、基本的には抜くことはできません。
どちらも日常生活に大きな問題はなく、私自身も普段は存在を忘れるほどでした。
私が受けた抜釘手術の体験談
ここからは実際に私が受けた抜釘手術の様子です。時間はおよそ1時間ほどでした。
麻酔は腰椎麻酔で、背中から麻酔を注入したときが一番「うっ」と感じた瞬間でした。麻酔が効き始めると、前回の傷跡からボルトを探して抜く作業が進んでいきます。
私の場合、ボルトがすぐには抜けず、先生がかなり力を込めているのがわかるほどでした。最終的にはペンチのような器具で引き抜くような感覚が伝わり、
「べちん!」
という音が響いたのを今でも覚えています。痛みはありませんが、想像力だけが働いてしまい、全体を通して一番緊張した瞬間でした。

これが実際に抜いたボルトです。あらためて見ると存在感のある大きさでした。
抜釘後の回復と気をつけていたこと
抜釘のみの場合、回復は比較的早いと言われています。2〜3日ほどの入院で済むケースもあるようです。
ただし、体の奥にメスを入れていることに変わりはないので、私は傷口が落ち着くまで無理をしないようにしていました。
ボルトの穴が骨で埋まるまでの期間
ボルトが刺さっていた部分の穴が完全に埋まるまで、私の主治医からは「骨が落ち着くまで目安として約7か月」と説明を受けました。痛みはありませんが、強い衝撃が重なると負担になる可能性があるとのことで、私は慎重に動くようにしていました。
ただし、回復は想像よりも早く、約2週間ほどでかかとが太ももにつくところまで戻りました。
もっとも、可動域が戻る=違和感が完全に消える、というわけではありません。曲がるようになっても、内部の違和感や軽い突っ張り感はしばらく残りました。
抜釘のみの場合はここまで制限が出ないケースもあるようですが、私の場合は半月板縫合も同時に行っているため、可動域制限はやや強めに出た可能性があります。
一般的に、ひざは「かかとが太ももにつく」くらいまで曲がるのが正常な可動域とされています。
しかし私の場合、麻酔が切れたタイミングでは約90度程度までしか曲がりませんでした。
ベッドの上で足をゆっくり曲げても、太ももとふくらはぎが直角に近いところで止まり、「あ、これはかなり制限されている」と実感しました。
医師からは荷重制限はないと言われていましたが、実際には痛みと可動域の制限があり、日常動作はかなり慎重にならざるを得ませんでした。
荷重はいつから可能だったか
医師からは「2日目以降は荷重制限なし」と説明を受けました。
しかし実際には、痛みがあり体重をしっかり乗せるのは難しい状態でした。
理論上は荷重可能でも、実感としては「恐る恐る乗せる」という感覚で、完全に体重を預けられるようになるまでには数日を要しました。
日常生活で困った動作
- 階段の下りは特に怖い
- 椅子から立ち上がるときに引っかかる感覚
- しゃがみ込みはほぼ不可能
- 正座は当然できない
最終的にボルトを抜くか残すかは、本当に人それぞれです。私の体験談が迷ったときの参考になればうれしく思います。
費用(目安):私の場合は自己負担3割で7万〜8万円でした(半月板の再縫合を含む)。抜釘のみなら、説明上はその半分程度になる可能性があるとのことでした。実際の金額は病院・日数・検査内容で変わるため、事前確認が確実です。
よくある質問(FAQ)
Q. 抜釘は全員やる必要がありますか?
A. 必須ではありません。違和感や痛みがなければ経過観察となるケースも多いです。
Q. 抜釘は日帰り手術ですか?
A. 症例や病院によって異なります。抜釘のみであれば日帰り〜1泊程度のこともあります。
Q. 抜釘後、すぐ歩けますか?
A. 医師からは荷重可能と説明を受けましたが、私の場合は痛みで体重をかけにくい状態でした。
Q. 可動域はどれくらいで戻りますか?
A. 私の場合、術直後は約90度でしたが、約2週間でかかとが太ももにつくところまで戻りました。
Q. ボルトの穴はいつ埋まりますか?
A. 主治医からは目安として約7か月と説明を受けました。
Q. 金属探知機は反応しますか?
A. 私は一度も反応したことはありませんでした。
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