手術後4日目、リハビリがない長く感じた一日|前十字靭帯と半月板手術の入院生活
手術後4日目の病室で、右ひざを包帯で固定した若い男性がベッドに腰掛け、見舞いに来た友人と談笑している様子のイラスト。

前十字靭帯と半月板の手術から4日目の朝。じっとしていればズキズキした痛みは少し落ち着いてきたものの、 膝の腫れと熱っぽさはまだまだ強く、「本当に良くなっていくのかな…」という不安が頭から離れない一日でした。

手術4日目、やっと少し落ち着いてきたけれど

手術から4日目になると、何もしていないときの疼痛はだいぶ和らいできました。
とはいえ、膝のまわりはパンパンに腫れたままで、うっかりどこかにぶつけようものなら、 まだ飛び上がるレベルの痛みです。

この日は日曜日。リハビリも診察もお休みで、言ってしまえば「一日まるごと自由時間」。
一見ラクそうに聞こえますが、実際に体験してみると、これはこれで特に日中ですが充実した一日でした。

腫れた膝と、氷嚢が欠かせない朝のルーティン

入院中の朝は早く、起床は6時。6時に起きたところで特別やることはないのですが、 看護師さんがカーテンを開けてくれるので、半ば強制的に一日がスタートします。

もともと朝が大の苦手だったはずなのに、入院生活5日目にもなると、人間は慣れてくるもので、 6時前に自然と目が覚めるようになっていました。むしろ起こされるころには、すでに起きていることも多かったです。

起きてまず最初にやるのが、アイシング用の氷嚢の準備です。
手術した膝はパンパンに腫れ、触れると熱を持っていて、まるで熱湯を入れた風船のような感覚でした。

少しでも腫れと熱感を抑えるため、基本的には一日中氷嚢で患部を冷やします。
夜中に氷が溶けてもナースステーションに行けば交換してもらえるのですが、 なんとなく気まずくて、結局朝まで我慢してしまうことが多かったです。

7時半に朝食を済ませ、8時になると今度はCPMの時間がやってきます。

CPMで少しずつ膝の可動域を取り戻していく

CPM(シーピーエム)は、膝の曲げ伸ばしを自動で行ってくれる機械です。
足を装置にセットして固定し、スイッチを入れると、一定の角度の範囲で膝をゆっくり曲げたり伸ばしたりしてくれます。

関節は動かさないでいるとどんどん固まってしまうため、術後の早い段階から可動域を確保することがとても大事だと聞きました。
実際、主治医や理学療法士さんからも「多少痛くても、ここは頑張りどころだよ」と言われていました。

僕の場合、CPMは手術後2日目から始まり、毎日

  • 朝:8:00~8:30
  • 夕方:18:30~19:00

と、1日2回行っていました。角度の設定は、ざっくりとこんなイメージです。

術後日数 朝の角度 夕方の角度
2日目 15~60度 10~65度
3日目 10~65度 5~70度
4日目 5~70度 0~75度
5日目 0~80度 0~80度
6日目以降 0度付近までしっかり伸ばしつつ、少しずつ曲げる角度を増やしていく

はじめの「60度」という角度は、数字だけ聞くとけっこう曲がっているように感じますが、 実際にやってみると「本当に少し膝を曲げているだけ」という感覚です。
それでも術後まもない膝にはかなりの負担で、最初のうちは表情がゆがむほどの痛みでした。

ただ、4日目くらいになると少しだけ慣れてきて、「60度じゃ物足りないな…」と感じる瞬間も出てきます。
リハビリの先生と相談しながら、プラス10度ほど角度を広げて挑戦してみたりもしました。

あくまでもこれは「私の場合」の一例なので、実際の角度設定は必ず主治医や理学療法士さんの指示に従ってくださいね。

手術後、病室のベッドで右ひざを包帯で固定しながらアイスバッグで冷やす若い男性患者が、少し落ち着いた表情で休んでいる手描き風イラスト。
手術後の右ひざを冷やしながら休む術後4日目の様子。リハビリがお休みの日は、こんなふうにゆっくり体を休める時間もありました。

リハビリが休みの日曜日、とにかくやることがない

この日は日曜日だったため、リハビリ室での本格的なリハビリはお休み。
病室のベッドの上で、普段教わっているメニューを自主トレとして行う一日になりました。

ただ、人に見られていないとどうしても気が緩みます。

  • ベッドの上で足上げをしてみる
  • 少し頑張ったら疲れてスマホを触る
  • 「このままじゃいけないな」と思って、また足上げを始める

そんなことの繰り返しでした。

歩けばまだ普通に痛いので、病棟の中を散歩するのも一苦労。
かといって、ずっとベッドで横になっているのも飽きてきます。 本を読もうとしても、ゲームをしてみても、なぜか集中できず、結局ぼーっと天井を眺めている時間が長くなりました。

生活リズムだけ見れば健康的なのですが、「どんどん自分が腐っていく気がする…」という、 なんとも言えない虚無感のような感覚がじわじわと出てきたのが、この4日目あたりだったと思います。

面会に来てくれた人たちが、本当に救いだった

そんな中で、この日の大きな楽しみが「面会」でした。
日曜日ということもあり、10時の面会開始時間になると、次々に人が訪ねてきてくれました。

  • 暑い中スーツ姿で来てくれた、仕事の取引先の方
  • バスケ仲間の親友
  • 友人たち

普段は仕事やバスケで会っている人たちが、わざわざ病室まで足を運んでくれる。
それだけで、気持ちがふっと軽くなったのを覚えています。

入院していると、世界が病室の中だけになりがちです。
そこで、いつもの顔ぶれが現れてくれると、

  • 「ちゃんと自分の居場所は外にもあるんだな」
  • 「早く退院して、また一緒にバスケがしたいな」

そんな前向きな気持ちが、自然と湧いてきました。

実際に入院してみて、「人とのつながりって本当に大事だな」と改めて感じた日でもあります。
もし今、身近な人が入院しているなら、短時間でも顔を出してあげてほしい。
それだけで、その人の一日がかなり違ったものになると、実体験から強く思います。

何も起きなかったようで、いろいろ気づいた一日

こうして振り返ってみると、手術4日目は

  • 安静にしていれば痛みはだいぶ落ち着いてきた
  • でも、膝の腫れと熱っぽさはまだまだ続いている
  • 身体よりも、むしろメンタルのほうがしんどくなってきた

そんな一日でした。

手術直後のような「とにかく痛みに耐えるしかない」時間を越えると、今度は
「長い時間をどう過ごすか」
「リハビリへのモチベーションをどう保つか」
という、別の戦いが始まります。

この日の私は、

  • 「何もできない自分へのもどかしさ」
  • 「外ではみんなが普通に生活しているのに、自分だけ病室にいる」という疎外感

そんな感情に少しイライラしながらも、それでも

  • 氷嚢を交換して膝を冷やす
  • CPMで決められた角度までしっかり膝を動かす
  • できる範囲でベッド上の自主リハビリをする
  • 面会に来てくれた人たちと話をして気持ちを整える

そんな小さな積み重ねを続けていました。

今あらためて文字にしてみると、「あのときの自分、よく頑張ってたな」と少しだけ褒めてあげたくなります。
もしこれから同じように手術4日目を迎える方がいたら、「何もしていないようで、ちゃんと前に進んでいる日」だと思ってもらえたらうれしいです。

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