手術後1日目で怒られる人はあまりいないかもしれない
手術翌日、無理に外へ出てしまい看護師に注意される場面を描いたイラスト。術後の行動には危険が伴うことを象徴しています。

前日に前十字靭帯再建術と半月板の手術を終えて、術後1日目です。

この日は「一日中ベッドで安静に」と言われていて、やることはほとんどありません。
体はだるいし、膝はずっとズキズキするし、「長い一日になりそうだな…」と感じていました。

手術翌日の朝:まずは安静と、よく分からない「抜去」からスタート

朝になると、まずは膝まわりに刺さっていた管のようなものを抜かれました。
当時の自分は、何の管なのかきちんと理解できていませんでしたが、「とりあえず何か重要なものなんだろうな…」という程度の認識でした。

体は相変わらず重くて、頭もぼーっとしています。
「今日はゆっくりしていてくださいね」と言われたので、とりあえずベッドの上でおとなしく過ごすしかありませんでした。

松葉杖デビューと、途切れない鈍い痛み

この日、一応トイレまでは松葉杖をついて行っていいと言われました。

ただ、それまで松葉杖を使ったことがなかったので、最初は全然うまく扱えません。
脇の支えから外れてしまったり、腕の力だけでどうにかしようとしてふらついたり…。
「脇でしっかり挟んで体重を分散させる」のが理想なのは頭で分かっていても、実際にやってみると想像以上に難しかったです。

そして何より、手術した膝の鈍い痛みがひたすら続きます。
「この痛みがこの先もずっと続くのかな…」と考えると、正直気が遠くなりそうでした。

※私の場合は、この日を越えると「ずっと痛い」という状態は少しずつ落ち着いてきました。
あくまで一例なので、痛みの経過は人によって違うと思います。

暇すぎて、喫煙欲に負けた話(完全に反面教師です)

ここからは「絶対に真似しないでほしいな…」という、術後1日目の失敗談です。

実は当時の私は喫煙者でした。
入院前から一番不安だったことのひとつが「禁煙どうしよう」だったくらいです。

もちろん病院内は完全禁煙です。
入院初日と手術当日は、まだ元気だったので敷地外まで歩いて喫煙しに行っていました。

そして術後1日目。
体は衰弱しているし、膝は痛い。やることはほとんどない。
麻酔がまだ残っているのかボーっとするし本来ならベッドで静かに過ごすべきなのですが、そこで顔を出してきたのが「タバコ吸いたい…」という気持ちでした。

点滴スタンドを連れて、敷地外へ…

腕にはまだ点滴が刺さったまま。
いわゆる「カラカラ(点滴スタンド)」をガラガラ押しながら、慣れない松葉杖で敷地外を目指すことにしてしまいました。

一歩一歩がとにかく重い。
いつもなら何でもない距離が、小旅行レベルに感じます。
それでもなんとか敷地外までたどり着き、ようやく一服。

「ああ、やっぱり落ち着くなぁ」と思いながらふと点滴のチューブを見ると…

管が真っ赤。血が逆流していました。

人生初の点滴だったこともあり、かなり焦りました。
「え、これ大丈夫なの?」と、一瞬で目が覚めた感覚を覚えています。

歩くのもしんどいのに、また同じ距離を戻らないといけません。
ここにきてようやく「来るんじゃなかった…」と後悔しました。

病室で待っていたのは、看護師さんの仁王立ち

やっとの思いで病室に戻ると、そこには仁王立ちの看護師さんがいました。
マンガのような、絵にかいたような教科書通りの仁王立ちです。

「どこ行ってたんですか?(マジ切れ)」

小声で「ちょっと…たばこに…」と答える私。

「臭いでわかります。(じゃあ聞かないでよ・・・)なんで行ったんですか!転んだらどうするんですか!!」

本気で怒られました。
今冷静に考えれば、怒られて当然の行動でした。ごめんなさい、耐えきれなかったです

・まだ松葉杖の扱いにも慣れていない
・体力も戻っていない
・意識も朦朧
・傷口も完全には落ち着いていない

そんな状態で病棟の外に出て、しかも敷地外まで行ってしまったわけですから、
看護師さんからしたら「転倒」「再受傷」「感染」など、いろいろなリスクが頭に浮かんでいたはずです。

この出来事以降、看護師さんの間で私は完全に「要注意人物」扱いになりました。
担当が変わるたびに、前日の包帯外し事件と、この喫煙事件をイジられ続けることになります…。
(冗談っぽく言ってくれる方もいましたが、内心は冷や汗ものです。)

術後1日目の外出がどれだけ危険か、あとから気づいたこと

術後1日目の外出は本当に危険です

あらためて振り返ってみると、術後1日目の外出はかなり危険な行動でした。

  • 松葉杖の使い方にまだ慣れていない
  • 体は衰弱していて、意識もぼーっとしがち
  • 傷口のテープの下では、まだ出血していることもある

この状態で転んでしまったら、

  • 前十字靭帯の再断裂
  • 傷口への衝撃
  • 細菌が入ってしまうリスク

最悪の場合、再手術…ということも十分あり得ます。

当時の私はそこまで想像が及んでいませんでしたが、
今手術を控えている方や、術後まもない方には「絶対に真似しないでください」と強くお伝えしたいです。

喫煙そのものについても、手術や回復のことを考えると控えた方がいいのは間違いありません。
「このままタバコをやめられないかな」を考え直すきっかけにはなりましたが、頑張ってまで吸っている時点で無理ですね。

ベッドの上で過ごす長い1日と、腰のつらさ

それ以降は、さすがにおとなしくベッドで過ごしました。

ベッドの上では、手術した膝が冷却装置に包まれています。
膝から下は包帯でぐるぐる巻きにされ、その上から冷却用の器具で固定されている状態でした。

膝の痛みもそれなりに強いのですが、
ずっと同じ姿勢で寝ているせいで、腰の痛みもかなりつらかった のをよく覚えています。

  • 寝返りはほとんど打てない
  • 体を起こそうとすると膝が痛い
  • 上体を少し起こすと、今度は頭がクラクラする

「どの姿勢でもつらい」という、なかなかハードな時間帯でした。

それでも、「リハビリが始まれば少しは変わるかな…」と、
期待を抱きながら、この日は眠りにつきました。

術後1日目の足の状態

術後1日目の足は、だいたいこんな状態でした。

  • 足の下には枕が入っていて、少し高い位置で固定
  • 膝から下は包帯でぐるぐる巻き
  • その上から冷却装置で膝全体を冷やしている
  • さらに簡易的な装具で膝が動かないように固定
前十字靭帯・半月板手術後1日目の足の様子

動かそうとすれば当然痛みが走るので、
「動きたくても動けない」状態だったと言った方が近いかもしれません。

まとめ:術後1日目は「動かない勇気」を持つ日

前十字靭帯や半月板の手術翌日は、

  • 痛み
  • だるさ
  • 不自由さ
  • 暇さ

が一気に押し寄せてくるタイミングでした。

やることがないと、私のように余計なことを考えたり、
「ちょっとくらいなら大丈夫だろう」と無理をしてしまいがちです。

今振り返ると、術後1日目は「何もしないで終える勇気」を持つべき日だったと思います。

  • 無理に歩き回らない
  • 外に出ようとしない
  • 喫煙など、余計な行動はぐっとこらえる

このあたりを守るだけでも、余計なトラブルをかなり減らせるはずです。

私の失敗談が、これから手術を受ける方や、術後まもない方の
「気をつけるポイント」の参考になればうれしいです。

おすすめの記事