O脚は膝のケガの原因になる?受傷リスク・原因・改善方法をわかりやすく解説
O脚では膝のアライメントが崩れ、内側の半月板や関節軟骨に過度な負担がかかりやすくなります。

O脚は「膝の負担」を増やす。放置すると何が起きる?

前十字靭帯や半月板のケガを経験すると、「もう二度と同じ思いをしたくない」と強く感じます。
そのために大切なのが、受傷リスクを一つずつ減らしていくことです。

その中でも、見落とされがちなのに影響が大きいのがO脚です。
まっすぐ立ったとき、膝同士が自然にくっつきますか? くっつかない場合、O脚傾向の可能性があります。

O脚は「見た目」だけの問題と思われがちですが、膝にとってはかなり重要です。
なぜなら、膝にかかる力の向き(荷重ライン)がずれるからです。

O脚で起きること:膝の内側に負担が寄りやすい

本来、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)は、ある程度まっすぐなラインで体重を支えます。
しかしO脚になると、膝が外へ開くぶん、体重が膝の内側に寄りやすくなります。

すると、衝撃を吸収するはずの半月板(特に内側)に負担が集中し、擦り減り・損傷・痛みのリスクが上がります。
さらに状態が進むと、半月板だけでなく関節軟骨にも負担がかかり、慢性的な膝痛につながります。

よく聞く変形性膝関節症も、こうした「負担の偏り」が積み重なって起きる代表例です。

靭帯にも影響する理由:衝撃が“まっすぐ”入らない

O脚は骨の配列が変わることで、着地や方向転換のときに「膝が想定外の方向へぶれる」要因になります。
つまり、同じ動きをしていても、膝に入る力がまっすぐではなくなるということです。

半月板だけでなく、前十字靭帯を含む靭帯は「ねじれ」や「ズレ」に弱い側面があります。
O脚傾向があると、スポーツ動作で膝に微妙なブレが生まれ、受傷の引き金になり得るのです。

また、O脚は膝にとどまらず、骨盤の傾きや左右差にもつながりやすく、腰痛や股関節の違和感が出る人もいます。
膝を守るためにも、できる範囲で改善に取り組む価値は十分あります。


O脚の原因は主に3つ。まずは「タイプ」を切り分ける

O脚と言っても原因が一つとは限りません。
ただ、やみくもに矯正を始めるよりも、まずは「自分がどのタイプか」を把握するのが大切です。

原因①:筋力不足(機能的O脚)

一番多いのが、骨が曲がっているのではなく、筋肉の使い方・筋力不足でO脚に見えるタイプです。
特に関係が深いのが、太ももの内側にある内転筋(ないてんきん)です。

内転筋は骨盤〜太ももを支える筋肉群で、脚を「内側へ寄せる」働きがあります。
この筋肉が弱かったり、使われにくい生活が続くと、股関節〜膝の位置が安定しにくくなり、結果としてO脚姿勢になりやすいと言われています。

このタイプは、筋トレ・歩き方の改善で変化が出る可能性が高いのが特徴です。

原因②:骨盤の変化(出産など)

出産などで骨盤の状態が変化し、脚のラインに影響が出ることがあります。
骨盤が不安定になったり、左右差が強くなると、膝の向きも変わりやすく、O脚に見えるケースがあります。

この場合は、筋力だけでなく、ストレッチや骨盤周りの柔軟性も重要になります。

原因③:骨格(構造的O脚)

骨の成長過程や関節の形状によって、骨格としてO脚になるタイプもあります。
この場合、セルフケアで「完全に真っ直ぐ」にするのは難しいことがありますが、負担の偏りを減らすという目的で取り組む価値はあります。


改善の第一歩:まずは「歩き方」を整える

筋力不足タイプのO脚は、生活習慣の影響を強く受けます。
中でも変えやすく、効果が出やすいのが歩き方です。

靴底チェックで「癖」がわかる

普段履いている靴の裏を見てください。
次のような減り方がある場合、歩き方がO脚を助長しているかもしれません。

  • 外側だけ極端にすり減っている(がに股傾向)
  • つま先だけ減る(重心が前に流れやすい)
  • 左右で減り方が違う(骨盤の左右差・体の使い方の差)

理想に近いのは、かかとのやや外側と、親指の付け根(母趾球)がバランスよく減っている状態です。

正しい歩き方のポイント

ここでは難しい理論は抜きにして、意識しやすいポイントだけまとめます。

  • かかとから着地する
  • つま先は進行方向に向ける(外へ開きすぎない)
  • 最後は親指の付け根で地面を蹴る
  • 背筋を伸ばし、頭が前に出ないようにする

この歩き方をすると、太ももの内側が少し働く感覚が出るはずです。
毎日の歩行は回数が多いので、ここが整うと「勝手に刺激が入る」状態を作れます。


内転筋を鍛える:まずは簡単なメニューから

O脚改善でよく言われるのが「内転筋を鍛える」ですが、いきなり強い筋トレをする必要はありません。
大事なのは続けられる強度で、正しく刺激を入れることです。

内転筋が入りやすい合図は「親指の付け根」

歩行でも触れましたが、親指の付け根(母趾球)を使うと、内転筋が働きやすくなります。
スクワットなどの動作でも、母趾球で踏めるようになると、膝が内へ倒れにくく、脚のラインが安定しやすいです。

自宅でできる内転筋メニュー(例)

ここでは、膝や腰に不安がある人でも取り組みやすい方法を紹介します。

  • 膝にクッションを挟んで内ももを締める(5秒×10回)
  • 横向きで上の脚を前に出し、下の脚を上げる(10回×左右)
  • ワイドスクワット(浅めでOK、10回×2セット)

ポイントは、痛みを我慢しないことです。
「内ももが使われている感覚」が出れば十分で、いきなり追い込む必要はありません。

立った状態で膝にクッションを挟み、内ももを締めてO脚改善トレーニングを行っている様子
立位でクッションを膝に挟み、内転筋を意識して行うO脚改善エクササイズ

骨盤のゆがみはストレッチで整える

出産後などで骨盤の状態が変わった場合、筋トレだけでなくストレッチが有効なことがあります。
以下は自宅でやりやすい方法です。

骨盤まわりストレッチ(左右倒し)

  1. 仰向けに寝て、膝を立てる
  2. 膝が開かないようにそろえたまま、左右へゆっくり倒す
  3. 倒した先で10秒キープ
  4. 左右で10回ずつ

動かすときは反動をつけず、呼吸を止めないのがコツです。
「腰が伸びて気持ちいい」程度で十分です。

もしセルフケアで改善しにくい、左右差が強い、痛みが出る場合は、整骨院などで相談するのも選択肢です。
ただし「矯正すれば必ず治る」という話ではないので、施術は相性と納得感を大切にしてください。


骨格タイプのO脚は手術という選択肢もある

骨格(構造)が主因のO脚では、セルフケアだけでの改善が難しいケースがあります。
代表的な手術に高位脛骨骨切り術(HTO)があります。

これは脛骨を調整し、荷重ラインを整えることで、膝の内側への負担を減らす目的で行われます。
ただし、当然ながら手術には痛み・入院・長期のリハビリが伴うため、誰にでもおすすめできるものではありません。

詳しい解説は外部ページも参考になります。
高位脛骨骨切り術(HTO手術)について

まずは「歩き方」「筋力」「柔軟性」を整え、それでも日常生活に支障が出る場合に、医療機関で選択肢として検討する流れが現実的です。


私のO脚も簡単には治らない。でも、少しずつ変わってきた

私自身もO脚で、前十字靭帯と半月板の受傷に少なからず影響していたのでは、と感じています。
正直、短期間で劇的に変わるものではありません。

ただ、歩き方を意識し、内転筋を鍛えることを続けると、少しずつ膝の位置が安定してきたような感覚はあります。
「昨日より少しマシ」くらいの変化でも、積み重なると大きいです。

膝のケガは、受傷してから後悔しても取り戻せない部分があります。
だからこそ、できる範囲でリスクを減らし、長く動ける体を作っていきたいところです。


まとめ:O脚対策は“膝を守る投資”になる

  • O脚は膝の内側に負担が寄りやすく、半月板・軟骨への負担が増える
  • 原因は「筋力不足」「骨盤の影響」「骨格」の3つが多い
  • まずは歩き方(かかと→母趾球)を整える
  • 内転筋を鍛えると、膝のラインが安定しやすい
  • 骨格タイプは医療機関で相談し、必要なら手術も選択肢

O脚は一朝一夕で変わるものではありません。
ただ、歩き方と筋力を整えるだけでも、膝への負担は変わってきます。
「できることから」始めて、受傷リスクを減らしていきましょう。


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