
退院後の痛みのケアは「入院中より大変」だと感じた理由
前十字靭帯や半月板の手術を終えて、ようやく退院。
正直、退院までは「ここを乗り切れば少し楽になるはず」と思っていました。ところが実際は、退院後のほうが痛みのケアが重要だと私は感じました。
理由は病院は安全に整備された環境なのに対して、家や外出先は「生活するために動かざるを得ない」からです。
この記事では、私が退院直後に感じた膝の状態、痛みが強くなりやすい場面、そして日常生活で現実的にできたケア(アイシング・安静・工夫)を、体験談ベースでまとめます。
注意:本記事は医療アドバイスではなく、あくまで私の経験談です。治療方針や服薬は、必ず主治医・薬剤師の指示を優先してください。
入院中は「安全で、動かなくていい」環境だった
入院生活は大変ではあるのですが、膝の負担という意味では、意外と条件が整っています。
病院内は基本的にフラットで、段差や障害物が少なく、手すりやスタッフの目もあります。さらに、やることが限られているので、リハビリ以外の時間はベッド上で過ごすことが多くなりがちです。
私が入院中に「歩いたな」と感じたのは、だいたいこんな場面でした。
- トイレ(1日に数回、短い距離)
- リハビリ室への往復(決まった回数と距離)
- シャワー(許可が出たタイミングで)
- 売店や自販機(必要なときだけ)
- 氷の交換、CPMの移動など(病棟内の短距離)
- タバコ(病棟外のまでの距離)…見つかったら怒られる
もちろん個人差はありますが、結果として「危ない動きをしないで済む」環境になりやすい。ここが退院後と大きく違いました。
退院後は「生活のために動く」ので、膝の負担が一気に増える
退院すると、家に戻った安心感と同時に、現実の生活が始まります。
家の中には段差があります。床の物に足を取られることもある。狭い通路で方向転換もする。外に出れば人混みや信号、雨の日の滑りやすい路面もあります。
そして何より、入院中と違って「動かない」という選択が取りづらいです。
- 食事の準備・片付け
- トイレや入浴の動線
- 通院、買い物、仕事や学校の再開
- 玄関、階段、エレベーター、電車移動
このタイミングで私が強く感じたのは、退院=回復完了ではないということでした。
手術から2週間ほどで退院できても、膝はまだまだ「弱い」です。傷口も完全に落ち着いていないことがありますし、筋力や可動域も戻り切っていない。そんな状態で生活負荷が増えるので、痛みや腫れが出やすいのは当然だったのだと思います。
退院直後の膝は、少し歩くだけで熱を持ちやすかった
私の場合、退院直後は少し長めに歩くだけで膝が熱を持ち、腫れてくる感覚がありました。
病院の廊下を歩くのと、家の中で立ったり座ったり、方向転換しながら動くのは別物です。加えて、外出が入ると負担はさらに上がります。
腫れが出てつらかったのは、「膝そのもの」だけではありませんでした。
包帯や装具を付けていると、腫れた膝が圧迫されて、ズーンと痛むことがあります。とはいえ、自己判断で外すのは怖い。結果として、腫れないように先回りしてケアすることが大事だと感じました。
退院後の痛みをゼロにするのは難しい。だから「増やさない工夫」をする
正直に言うと、退院後の痛みを完全になくすのは難しいと思います。
病院と同じ生活(危険の少ない環境で、動かず、必要なときだけ歩く)をそのまま自宅で再現するのは現実的ではありません。
ただ、私の体感としては、痛みを軽くする・悪化させにくくすることはできました。
その中心になったのが、次の3つです。
- 冷やす(アイシング)
- 休める(横になる・動線を減らす)
- 上げる(脚を少し高くする)
私が一番効果を感じたのは「とにかく冷やす」ことだった
退院直後の私は、時間ができたらできるだけ冷やすようにしていました。
膝が熱を持ったままだと「腫れやすい」「装具や包帯の圧迫がつらい」「動くのが怖くなる」という流れになりやすかったからです。
やり方は難しいことではなく、自分の生活に合わせて“冷やせるタイミング”を増やすのが現実的でした。
- 朝:起きた直後に一度冷やす
- 日中:可能なら短時間でも冷やす(休憩のたび)
- 夜:帰宅後、まず冷やす
- 入浴後:温まったあとに様子を見て冷やす
私は会社勤めだったので、当時は保冷剤を職場の冷凍庫に入れ、休憩のタイミングで膝に当てていました(環境が許せば、ですが)。それでも帰宅時には腫れている日もありましたが、やらないより明らかに楽だったと感じています。
氷嚢(アイスバッグ)があると、退院後のケアが回りやすい
アイシングの方法はいろいろありますが、私が「あると助かった」と感じたのは氷嚢でした。
保冷剤でも代用はできますが、氷嚢はフィット感と冷たさの持続が扱いやすい印象がありました(個人の好みもあります)。
氷を入れるのが少し面倒な日もありますが、逆に「冷やす」ことをルーティンにしやすくなります。
氷嚢については別記事にもまとめています。
氷嚢(アイスバッグ)と氷の準備は“必須”|退院後すぐに使える環境づくりのポイント
帰宅したら「横になって脚を上げる」で、体感が変わった
退院後は、とにかく膝を使う時間が増えます。だからこそ、家に戻ったら「休ませる時間」を強制的に作るのが大事だと感じました。
私がよくやっていたのは、帰宅後にベッドや布団で横になり、クッションや枕、壁などを使って脚を少し高くすることです。
これで劇的に何かが変わる、というよりも、「痛みが増える前に落ち着かせる」感覚に近いです。冷やすのとセットにすると、さらに楽に感じる日が多かったです。
「痛み止め」は助けになるが、頼り方を間違えると怖い
退院直後は、どうしても痛みが強い日があります。そういうとき、処方されている痛み止めに助けられることもあります。
ただ、私が強く意識していたのは、次の点です。
- 服用の可否・タイミングは、主治医の指示を優先する
- 胃がつらくなることがあるので、必要に応じて相談する
- 痛みが消えても「治った」わけではない
特に最後の一点が重要で、痛みが落ち着くと「動ける気がする」瞬間が来ます。そこで普段通りに動いてしまうと、結果的に負担が増えてしまうことがあります。
私の感覚としては、薬で“できること”が増えるのではなく、薬で“我慢の限界”を少し先に伸ばすくらいに捉えるほうが安全でした。
退院後の痛みが増えやすい「私の地雷ポイント」
退院後、私が特に怖かった(そして実際に負担が増えやすかった)のは、次のような場面です。
- 家の中での方向転換(狭い場所での切り返し)
- 急いだ移動(時間に追われると動きが雑になる)
- 段差・階段・玄関
- 荷物を持った移動(バランスが崩れやすい)
- 人混み(ぶつからないように避ける動きが増える)
このあたりは、気合いではどうにもならないので、「できるだけ避ける」「避けられないなら、事前に冷やしてから動く」「帰宅後に必ずケアする」という形で対処していました。

退院後こそ、ケアをサボると“翌日に響く”
入院中は、毎日同じような環境とスケジュールが回ります。
でも退院後は、日によって負担が変わります。外出した日、仕事が長かった日、家事が重なった日ほど、夜に腫れや熱感が出やすかった印象です。
そして厄介なのが、その日の疲れが翌日に持ち越されることです。
だから私は、退院後しばらくは「大丈夫そうな日」でもケアを省略しないようにしていました。サボった日は、だいたい翌日に後悔したからです。
まとめ:退院後は「動く生活」になる。だからケアの優先度を上げる
退院はゴールではなく、生活が再開するスタートでした。
病院のように安全で整った環境から、段差も人混みもある日常に戻る。膝がまだ弱い状態でそれが始まるので、痛みや腫れが出やすいのは自然な流れだと思います。
私が退院後に大事だと感じたのは、次の3点です。
- 冷やす:できるだけ回数を増やして“熱を溜めない”
- 休む:横になる時間を意識して確保する
- 上げる:帰宅後に脚を少し高くして楽にする
そして、痛み止めは「助け」にはなるけれど、痛みが消えても回復が完成したわけではない。ここは退院後こそ意識したほうがいいと感じました。
退院直後は不安も多いと思いますが、無理のしすぎだけは避けて、少しずつ生活のペースを作っていきましょう。

