退院から半年、ようやく始まった“復帰に向けた練習”と残っていた不安の話
体育館で無理のない範囲の練習をしている様子

退院から半年、ようやく「コートに戻る」許可が出た

どうも、s-esuです。

ひざの手術から半年ほど経ったタイミングで、外来の診察中に先生から「そろそろ復帰に向けた練習を始めていいですよ」と言われました。長かったリハビリ生活の中で、この一言はかなりうれしかったのをよく覚えています。

とはいえ、いきなり本格復帰というわけではありません。まだ対人プレーのような、人とぶつかる場面はNG。あくまで一人でできる範囲のバスケットボールの練習に限って許可が出た、という感じでした。

当時、実際にOKが出ていたメニューはこんな内容です。

  • リングに向かってのジャンプシュート
  • レイアップシュート
  • ドリブルをしながらのダッシュ

書き出してみると、できることは意外と少ないですよね。正直なところを言うと、先生から正式な許可が出る少し前から、リハビリの先生と相談しながら軽めにシュート練習は始めていました。

それでも「主治医からのOK」が出たという事実は大きくて、「ここまでちゃんと回復してきたんだな」と実感できた瞬間でもありました。

仲間にお願いして、ほんの軽く1対1の形を試してみたこともあります。ただ、この頃はまだ本気の勝負をする勇気はさすがになくて、感覚を確かめるような、探り探りのプレーばかりでした。

消えない違和感と、右ひざに残っていた不安

通院のたびに先生からは「順調ですね」と言ってもらえていましたが、心の中にはどうしても消えない不安がありました。

理由はシンプルで、痛みが完全には引いていなかったからです。

あるタイミングまでは、日が経つごとに痛みが少しずつ軽くなっていく感覚がありました。しかし、あるところから先は、良くなっている実感があまりなくなり、「このレベルの痛みが残ったままなのかな…?」というモヤモヤが出てきました。

特に気になっていたのは、ひざとスネの間あたり、少し内側のポイントです。自分の感覚としては、前十字じん帯の手術と一緒に処置してもらった半月板のあたりに近い場所でした。

走ったあとにその部分がズキズキして、しばらくすると落ち着いてくる。そんな状態が何度か続きました。さらに、指でぐっと押してみると、そこだけ明らかに痛い。左ひざは同じように押してもなんともないので、「右だけ痛いのはやっぱりおかしいよな…」と、不安が頭から離れなくなっていきます。

診察やリハビリの場面では、もちろんその違和感や痛みのことはきちんと伝えていました。ただ、先生の反応としては「手術したところはしばらく痛みが残ることも多いですよ」というニュアンスで、そこまで深刻には受け取られていない印象でした。

先生を責めたいわけではなく、「きっと大丈夫」という言葉を信じたい気持ちと、「でも自分の体だからこそ分かる違和感」がせめぎ合っていた時期だったと思います。

半月板について聞いていたことと、自分なりの心配ごと

当時、先生から説明を受けたり自分なりに調べたりして、半月板についてざっくりとこんなイメージを持っていました。

  • ひざの中でクッションのような役割をしている
  • ジャンプや着地、方向転換の衝撃をやわらげてくれている
  • 小さなパーツだけど、動きの安定にはかなり大事な存在

私の場合は、半月板の一部がめくれ上がってしまっていたところを削り、深く傷ついていた部分を縫い寄せる形で手術をしてもらいました。「うまくくっついてくれれば、またクッションとして働いてくれるはず」という説明だったと記憶しています。

その一方で、「もし縫ったところの糸が早く切れてしまったらどうなるんだろう?」という心配もずっと頭の片隅にありました。縫った部分がもう一度めくれてしまったら、うまく使えなくなるんじゃないか…そんな想像をしては、勝手に不安を大きくしていた気がします。

今振り返ると、あの頃の私は「またバスケットボールに戻りたい」という気持ちが強かった分、ひざの小さな変化にもかなり敏感になっていたのだと思います。

それでも前に進みたくて続けた練習

体育館で軽い練習をしている男性のイラスト
体育館で無理のない範囲の練習をしている様子

不安は抱えたままでしたが、だからといって何もしないわけにはいきませんでした。先生から許可をもらった範囲の中で、できることを少しずつ積み重ねていきました。

体育館が使える日は、コートでジャンプシュートやレイアップ、ドリブルからのダッシュを中心にメニューを組みます。毎日行けるわけではないので、体育館が使えないときは外でのトレーニングです。

外での練習といえば、おなじみのハーキー。短い距離をひたすらダッシュしては止まり、向きを変えてまた走る、あの地獄メニューです。ひざの状態を気にしつつも、「またコートで思い切りプレーしたい」という気持ちだけで続けていました。

痛みと不安を抱えながらも、「先生が順調と言ってくれているんだから大丈夫」「ここで止まったらもう戻れないかもしれない」と、自分に言い聞かせながらの日々だったように思います。

この頃の違和感やモヤモヤが、このあとどうつながっていくのか…。今だからこそ分かることも含めて、続きの回で書いていきますね。

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