
半月板の働きと重要性とは?損傷するとどうなる?
私は前十字靭帯(ACL)を損傷したときに、同時に半月板も傷めました。
診察や手術の説明のなかで、初めて「半月板」という存在をきちんと意識しましたが、最初は名前だけ聞いてもピンときませんでした。
ここでは、教科書のような専門的な説明ではなく、「実際に半月板を損傷した当事者として理解したこと」を中心に、半月板の役割と損傷したときの状態についてまとめていきます。
※この記事は私の実体験と、当時医師から受けた説明・一般的に言われていることを整理したものであり、診断や治療を決めつけるものではありません。具体的な方針は必ず主治医と相談してください。
半月板はどこにあって、どんな役割をしているのか
半月板は、膝の関節の中にあるクッションのような軟骨です。
- 膝の内側にある「C型」の半月板
- 膝の外側にある「O型」の半月板
ざっくり言うと、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間に挟まって、動きを安定させている部品です。
半月板が担っている主な役割
- ジャンプの着地などでかかる衝撃をやわらげるクッション
- 膝を曲げ伸ばしするときに、関節の動きを滑らかにする
- 骨同士が直接ぶつからないようにして、軟骨がすり減るのを防ぐ
半月板はとても小さくて薄いパーツですが、なくなると衝撃がそのまま骨や軟骨に伝わってしまい、将来的には変形性膝関節症のリスクが高まると言われています。
半月板はどうやって損傷するのか(私のケースを含めて)
ねじりの動きに弱い
膝はもともと「まっすぐ曲げ伸ばしする」動きが得意で、ひねり(ねじり)の動きにはあまり強くありません。
半月板も同じで、膝をひねるような力が加わると傷みやすくなります。
スポーツで多いシチュエーション
私生活のちょっとした動きでも傷めることはありますが、私が見聞きした範囲では、ほとんどがスポーツ中の受傷でした。
- ジャンプして着地するときに、膝が曲がったままねじれる
- 切り返しやターンで、足は地面に固定されたまま上半身だけ回る
私の場合も、ジャンプの着地で膝を少し捻るような形になり、そのときに半月板も一緒に損傷しました。
また、半月板だけを単独で傷めることもありますが、前十字靭帯や内側側副靭帯とセットで損傷するケースも多いと説明を受けました。
半月板を損傷したとき、実際に何が起こったか
受傷直後の痛みと腫れ
ジャンプ着地の瞬間、膝に強い痛みが走り、しばらく立てない状態になりました。
時間がたつと少し落ち着き、「なんとか歩けるかな」というレベルにはなりましたが、その後、
- 膝が熱をもってどんどん腫れてくる
- 関節の中に水(関節液)が溜まっている感覚がある
- 足を引きずらないと歩けない
という状態になりました。
関節液がたまる感覚
膝の中に余分な液体が溜まってくると、パンパンに張って曲げ伸ばしがしづらい感じになります。
私のときは、1日たつころには地面に足をつくのもつらい状態でした。
半月板損傷で出やすいと言われる症状
キャッチング
膝を曲げた状態から伸ばすときに、
- 何かが引っかかる
- 中で何かを噛んでいるような感覚がある
といった違和感が出ることがあります。私は、膝を伸ばしきるところで「スッと伸びない感じ」がありました。
ロッキング
半月板の一部が関節の間に挟まってしまうと、膝が一定の角度から先に動かなくなることがあります。これをロッキングと呼ぶと説明されました。
- 膝をまっすぐ伸ばしきれない
- 無理に動かそうとすると強い痛みが出る
私もロッキングが出たときは、自力ではどうにもならない感覚でした。
病院で受けた処置(私の体験)
できれば早めに受診したい理由
受傷してすぐのタイミングなら、痛みは強いけれどまだなんとか歩ける、ということがあります。
ただ、時間がたつほど腫れや炎症が強くなり、膝を動かすのがどんどんつらくなっていきました。
私の経験から言うと、受傷当日〜翌日の早いうちに整形外科を受診した方が、結果的に気持ちも落ち着きました。
関節液を抜く処置
膝がかなり腫れていたので、病院では太めの注射で関節液を抜く処置を受けました。
抜いた液の色や状態によって、靭帯損傷の有無をある程度推測できる、と説明を受けましたが、最終的な判断はMRIなどの検査になります。

ロッキングがある場合の処置
ロッキングが起きているときは、膝を一度曲げて関節に少し隙間を作り、挟まっている半月板の一部を解放するように戻してもらいました。
見た目にはけっこう力をかけて動かしているように感じましたが、この処置をしてもらうと、とりあえず歩くことはできる状態になりました。
放置するとどうなるか(私が聞いた話と感じたこと)
半月板は血管が少なく、自然に元通りに治ることはあまり期待しにくい場所だと説明を受けました。
時間とともに起こりやすい変化
- 膝に水がたまりやすくなる
- 痛みをかばって歩くことで太ももの筋力が落ちる
- 損傷した半月板の断片が軟骨を傷つけ、将来的に変形性膝関節症のリスクが高まる
私も、しばらくは普通に歩けるようになったからといって油断すると、膝が重だるくなったり、違和感が戻ってきたりしました。
どのタイミングで手術をするか、あるいは保存療法でいくかは、損傷の程度や生活スタイルによってかなり変わると感じています。
手術が必要な場合・そうでない場合
私が医師から聞いた説明では、
- ロッキングが強くて日常生活に支障が出ている
- スポーツ復帰を本気で目指す
といった場合は、手術を選ぶ人が多い印象でした。
一方で、
- ロッキングがなく、痛みも軽くなっている
- 激しいスポーツをしない生活に切り替えるつもり
といったケースでは、保存療法(手術をせず、リハビリや生活の工夫で様子を見る)という選択になることもあるようです。
どちらが正解というより、「自分がどういう生活を送りたいか」「どこまでのリスクを受け入れるか」で選んでいくイメージに近いと、私は感じました。
半月板を損傷したかもしれないと感じたときに、私が伝えたいこと
- 膝の中で「引っかかる」「噛み込む」ような感覚があるときは、無理に動かさない
- 強い腫れやロッキングがあるときは、早めに整形外科を受診する
- ネットの情報だけで判断せず、画像検査などを含めて医師に見てもらう
半月板はとても小さなパーツですが、一度傷めると膝の「安心感」がガラッと変わる存在でした。
同じように膝をケガして不安になっている方に、私の体験が少しでも参考になればうれしいです。
次の記事では、前十字靭帯損傷時の治療方法について、私が実際に選んだ道と一緒に整理していきます。
(※あらためてですが、ここに書いた内容は私の体験談と当時の情報をまとめたものです。症状や治療方針は人によって異なりますので、必ず主治医と相談のうえ、ご自身に合った選択をしてください。)

