
前十字靭帯再建術後の抜釘(ばってい)は必要なのか?【私の体験談】
前十字靭帯再建術を受けたあと、私の脛骨には靭帯を固定するためのボルトが入ったままになりました。埋め込まれているのはチタン製で、そのままでも問題ないと言われましたが、抜釘(ばってい)という手術で取り出すこともできると説明を受けました。
「抜くべきか、そのままにするべきか」。私はしばらく迷い続けたので、ここでは迷ったときに感じたこと、日常の違和感、実際に抜釘したときの体験をまとめています。治療の方針ではなく、あくまで一人の体験談として読んでいただければと思います。
ボルトが入ったままの日常生活で感じた違和感
触るとコリッとした感触がある
ひざ下の傷のあたりを触ると、皮膚の奥にコリッとした硬いものがある感覚がありました。強く痛むわけではないのですが、触れると「あ、ここにあるんだな」と実感します。
歩き方や動き方によってうずくことがある
長めに歩いたり動きが強くなったとき、ボルトのあたりがうずくような感覚が出ることがありました。生活できないほどではありませんが、動かし方に注意するようになりました。
飛行機の金属探知が不安だった
私が一番気になっていたのは、飛行機に乗るときに金属探知機で引っかかるのではないかという点でした。しかし実際には一度も反応したことはなく、これは完全な杞憂だったと今では思っています。
「抜かなくてもいいのか?」と迷ったときの自分の気持ち
ボルトはそのままでも良いと言われましたが、実際のところは人それぞれだと感じています。私の場合は、
- 動きによってうずきが出る
- その後に半月板を再び傷めて再手術になった
といった理由が重なり、「このタイミングで抜いてしまおうかな」と考えるようになりました。
また、抜釘を単独で行う場合は、前十字靭帯手術からある程度の期間内に行う方がスムーズだと説明を受け、悩む一つのきっかけになりました。
前十字靭帯手術ではボルト以外の部材も使われている
手術後、太ももの横に小さな傷がありました。これは採取した靭帯を骨の中に通すために開けた穴の入口だったそうです。
靭帯は骨の中を通り、その出口側でボルトによって固定されます。そして、反対側では小さなピンのようなものでも固定されていると説明を受けました。これは時間が経つと体の奥に入ってしまうため、基本的には抜くことはできません。
どちらも日常生活に大きな問題はなく、私自身も普段は存在を忘れるほどでした。
私が受けた抜釘手術の体験談
ここからは実際に私が受けた抜釘手術の様子です。時間はおよそ1時間ほどでした。
麻酔は腰椎麻酔で、背中から麻酔を注入したときが一番「うっ」と感じた瞬間でした。麻酔が効き始めると、前回の傷跡からボルトを探して抜く作業が進んでいきます。
私の場合、ボルトがすぐには抜けず、先生がかなり力を込めているのがわかるほどでした。最終的にはペンチのような器具で引き抜くような感覚が伝わり、
「べちん!」
という音が響いたのを今でも覚えています。痛みはありませんが、想像力だけが働いてしまい、全体を通して一番緊張した瞬間でした。

抜釘後の回復と気をつけていたこと
抜釘のみの場合、回復は比較的早いと言われています。2〜3日ほどの入院で済むケースもあるようです。
ただし、体の奥にメスを入れていることに変わりはないので、私は傷口が落ち着くまで無理をしないようにしていました。
ボルトの穴が骨で埋まるまでの期間
ボルトが刺さっていた部分の穴が完全に埋まるまで、およそ7か月ほどかかると説明を受けました。痛みはありませんが、強い衝撃が重なると負担になる可能性があるとのことで、私は慎重に動くようにしていました。
最終的にボルトを抜くか残すかは、本当に人それぞれです。私の体験談が迷ったときの参考になればうれしく思います。
ちなみに、私の場合は自己負担3割で7万〜8万円ほどの費用でした。これは半月板の再縫合を含めての金額となっていて、抜釘だけならその半分くらいの自己負担額となるということでした。病院や日数によって変わると思いますので、詳しい金額は個別に確認するのが確実だと思います。

