前十字靭帯・半月板手術の費用はどのくらい?
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前十字靭帯・半月板手術の費用はどのくらい?

「前十字靭帯再建術と半月板縫合術を受けたら、入院費はいくらかかるのか?」
ここでは、わたしが実際に支払った金額と、利用した公的制度について、できるだけわかりやすくまとめます。

前十字靭帯・半月板手術の入院費用(実例)

まずは、わたしが前十字靭帯再建術+半月板手術を受けたときの実際の数字からお話しします。

  • 入院期間:9泊10日
  • 診療点数:85,057点
前十字靭帯と半月板縫合手術の明細
前十字靭帯と半月板縫合手術の明細

医療費は「1点=10円」で計算されるので、
85,057点 × 10円 = 850,570円
これが保険適用前の「総医療費」です。

数字だけ見ると、かなりおぞましい金額ですよね。

健康保険 3割負担だといくらになる?

多くの方は健康保険の自己負担が3割だと思います。
その場合、

850,570円 × 30% = 255,171円

おおよそ25万円前後が自己負担になります。
前十字靭帯と半月板の手術としては、だいたいこのくらいが「相場感」といえるでしょう。

限度額適用認定証を使うとどう変わる?

ここで頼りになるのが、限度額適用認定証です。
あらかじめ申請しておくと、その月の医療費が高額になった場合でも、窓口で支払う額が一定の上限までに抑えられます。

わたしは協会けんぽの「区分ウ」に該当していました。

  • 限度額適用前の自己負担額:255,171円
  • 限度額適用後の自己負担額:85,936円

およそ17万円分の自己負担が減った計算になります。
限度額適用認定証を使うかどうかで、手元から出ていく金額がまったく違ってくるのがわかると思います。

限度額適用認定証でもカバーされない「自費」

ただし、限度額適用認定証が使えても、次のような費用は自費負担です。

  • 差額ベッド代(室料差額)
  • 食事代

わたしの場合は、次のような内訳でした。

  • 差額ベッド代:2,000円/日 × 10日 = 20,000円
  • 食事代:10日間で 6,760円

これらを限度額適用後の自己負担額に足した結果、
最終的な入院時の支払いは 114,296円 になりました。

前十字靭帯と半月板縫合の総コスト

元の総医療費が約85万円だったことを考えると、
制度を使うかどうかで「払う金額の感覚」がかなり変わると思います。

限度額適用認定証の詳しい内容

限度額適用認定証についての詳細は、全国健康保険協会の公式ページにわかりやすくまとまっています。
全国健康保険協会:医療費が高額になりそうなとき

高額療養費支給制度もあわせて活用しよう

実は、入院費の前に装具代として約9万円の支払いも発生していました。
装具代は振込支払いだったこともあり、そのまま全額をいったん支払う形になりました。

装具金額
装具の支払金額。取り方間違えて見にくくてごめんなさい。

このように、限度額適用認定証を使っても、
入院費や装具代などを合計すると20万円前後の自己負担になる計算です。。

高額療養費支給制度とは?

そんなときに利用できるのが高額療養費支給制度です。
同じ月内に支払った自己負担額(入院費+装具代など)が限度額を超えた場合、
超えた分を後から払い戻してくれる制度です。

イメージとしては、

  • 限度額適用認定証 … 窓口で支払う金額をあらかじめ抑える制度
  • 高額療養費支給制度 … 払い過ぎた分を後から返金してもらう制度

という感じで、「事前」と「事後」の両方から医療費負担を軽くしてくれます。
申請してから振り込まれるまでは数か月かかりますが、まとまった金額が戻ってくるので、ぜひ活用したい制度です。

限度額認定証が間に合わなかった場合でも大丈夫

もし入院までに限度額適用認定証の準備が間に合わなかったとしても、
高額療養費支給制度を使えば後から限度額を超えた分を払い戻してもらうことが可能です。

例えば、限度額認定をせずに入院費として30万円を支払った場合でも、
のちほど高額療養費支給制度で申請すれば、20万円前後が払い戻されるケースがあります。

ただし、その場合は一度30万円を立て替える必要があります。
手元の資金に余裕がないとかなり負担が大きくなるので、
可能であれば事前に限度額適用認定証を用意しておくのがおすすめです。

半月板手術だけの入院費用(実例)

つづいて、半月板手術のみを行ったときのケースです。
   この時の手術は半月板の縫合術となっています。
こちらも実際の明細をもとにしています。

  • 入院期間:6泊7日
  • 支払った金額:87,376円(限度額適用済み)
  • 診療点数:45,455点

診療点数から計算すると、
45,455点 × 10円 = 454,550円
が総医療費です。

健康保険の3割負担で考えると、
454,550円 × 30% = 136,365円
となりますが、ここでも限度額適用認定証を使っているため、
実際に支払った金額は87,376円に抑えられました。

月またぎ入院は少し注意が必要

このときは6月末〜7月初旬にかけての入院だったため、
1日分だけ「別の月扱い」になり、その分の負担が少し増えています。

限度額適用認定証や高額療養費支給制度は、
1か月ごと(1日〜末日)の計算になるため、

  • 月末ギリギリからの入院
  • 月をまたぐ長期入院

などの場合は、自己負担額が少し変わってくる可能性があります。
手術日や入院日がある程度選べる場合は、「月またぎ」を意識して日程を相談してみるのも一つの方法です。

前十字靭帯・半月板手術の費用まとめ

ここまでの内容を、ざっくり整理すると次のようになります。

  • 前十字靭帯+半月板手術:総医療費は約85万円
  • 健康保険3割負担なら約25万円だが、限度額適用認定で8〜9万円台まで軽減
  • 半月板手術のみ:総医療費は約45万円、3割負担なら約13万円
  • こちらも限度額適用認定証で9万円弱に抑えられた
  • 装具代なども含めて限度額を超えた分は、高額療養費支給制度で後から払い戻しが可能

制度をまったく使わないと、手術+入院でかなりの負担になりますが、
限度額適用認定証高額療養費支給制度を組み合わせることで、
実際の自己負担はかなり抑えることができます。

医療保険・スポーツ保険にも入っていると安心

さらに、もし医療保険やスポーツ保険に加入していれば、
上記の自己負担分に対して保険金が支払われる場合があります。

わたしもスポーツ保険に加入していたおかげで、
2回の手術と入院で、かなり精神的にも金銭的にも助けられました。

月々保険料を払っているので「戻ってきた」という感覚ではありますが、
大きなケガや手術になると、保険があるかないかで安心感が全然違います。

とくに前十字靭帯や半月板のケガは、スポーツをしているとどうしてもリスクが高くなります。
もしまだ加入していない場合は、医療保険やスポーツ保険を一度見直しておくことをおすすめします。

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