
復帰できたのに、体がついてこない。まずは「体力不足」と向き合う
どうも、S-esuです。
前回の試合で、ようやく「バスケットに戻ってきた」と胸を張れるところまで来ました。膝がついてきてくれたことが本当にうれしくて、試合後はしばらく余韻に浸っていました。
ところが、復帰の喜びと同時に、はっきり突きつけられたものがあります。
深刻な体力不足です。
2年近いブランクを考えれば当然かもしれません。でも、試合に出てみると、想像以上にきつい。自分でも笑ってしまうくらい、体が早い段階で「もう無理」と言い始めます。
ちょっと真面目に走り続けると、2ピリオド目の後半あたりで、体力の底が見えてきます。呼吸が追いつかず、足が重くなり、視界が狭くなる。頭では「ここで踏ん張れ」と分かっていても、体が言うことを聞かない。
「バスケットって、こんなに疲れるスポーツだったっけ?」と、何度も思いました。
走る体力と、試合の体力は別物だった
走るだけなら、ある程度はできるんです。軽くジョギングして汗をかくくらいなら、少しずつ戻ってきている感覚もあります。
でも、試合になると話が違います。
試合の体力って、単純な持久力だけじゃないんですよね。急なダッシュ、急停止、接触、ジャンプ、着地、視野の切り替え、判断の連続。しかも、相手がいて、味方がいて、ボールがあって、タイミングがあって、気持ちが上がって、焦りも出る。
そこに緊張感が乗っかると、同じ「走る」でも消耗の仕方がまるで違う。
だから、結局のところ、いくら自主トレを積んでも、最後は実戦でしか戻らない。悔しいけど、ここは割り切るしかありません。
私はこれからも、怖さを抱えながらでも、できる範囲で実戦の場に出続けることを選びます。試合に出るたびに体は削れますが、その分だけ感覚も戻ってくる。復帰後の今は、そこに賭けるしかないと思っています。
試合の写真を撮ってもらった。復帰の「現実」がそのまま写っていた
復帰戦はバタバタしすぎて、写真を撮ってもらうのを完全に忘れていました。
なので、2戦目のときにお願いして、試合中の写真を撮ってもらいました。結果から言うと……
全部、ブレブレです。
ただ、動いているスポーツをスマホで撮ると、こうなる。



写真の中で、膝にサポーターを巻いているのが私です。
見返してみると、自分が思っている以上に、患足を軸にしている場面が多い。誰かが近くにいても、意外とジャンプしている。正直、ここまでできていることに驚きました。
「もう怖くない」と言い切れるほどではありません。でも、少なくとも、復帰前に想像していたほどの“固まり方”はしていない。これは素直にうれしいです。
復帰直後は、プレーが散らかる。それでも、やるしかない
ただ、内容は散々です。
体の使い方が戻っていないので、当たり負けもするし、ボールが手から離れてしまうこともある。判断もワンテンポ遅れる。イメージと体がズレて、ミスが続く。
でも、これはもう仕方ないと思っています。
ブランクがあるし、筋力も感覚も、きれいに元通りには戻らない。焦って「前と同じ」を取り戻そうとすると、無理が出る。無理が出たら、結局一番困るのは膝です。
だから今は、できることを増やすことに集中します。
自主トレももちろんやります。でも、それ以上に、私にとって大きいのは実戦です。数回の実戦が、数週間の自主トレを一気に追い越していく感じがある。
復帰直後の今は、「実戦を主軸にして、体力と感覚を戻す」。この方針でいきます。
順調だったはずなのに。半月板が「やっぱりだめかもしれない」と思った瞬間
ここからが、本題です。
順調に試合と練習を重ねて、「このまま戻せるかもしれない」と思い始めていました。体力不足はあるけれど、試合に出ていれば戻る。膝も大丈夫そうだ。そういう感触が、確かにありました。
ところが、その日は違いました。
その日は2試合の予定で、1試合目はボロボロになりながらも、なんとか最後までこなしました。内容は細かく書きませんが、点もそれなりに取れていて、「これからだな」と思える材料もありました。
問題は、2試合目です。
1試合目の疲れも残っていました。足が重い。判断が遅れる。プレーが雑になる。そういう状態で「もう一試合」をやるのは、今の私には早かったのかもしれません。
そして、事件は起きました。
リバウンドの着地でした。
前十字靭帯をやったときと同じように、空中から降りて、足が床に触れた瞬間です。ほんの一瞬の出来事なのに、体は「終わった」と分かるんですよね。
あの、二度と味わいたくない感触が、膝に走りました。
ロッキング。頭が真っ白になった
膝が、伸びません。
何かが引っかかって、まっすぐにできない。無理に動かすと、余計にまずい気がする。でも、試合中で、コート上で、時間は進んでいく。
私は一度止まって、かかとを床につけて、膝をゆっくり伸ばしてみました。
ゴキゴキ!
音と一緒に、元に戻りました。
戻った瞬間、「助かった」と思ったのも本音です。でも、それ以上に、全身の力が抜けました。
審判も私の異変に気づいて、試合が止まりました。周りがざわつく。味方が寄ってくる。私は「歩ける」と自分に言い聞かせて、コートを出ました。
歩ける。たしかに歩ける。痛みも、我慢できないほどではない。
でも、心が追いつかない。
私は、ほとんど放心状態でした。
「また手術?」が頭をよぎった瞬間、2年間が崩れた気がした
もし、また半月板を痛めていたら。
もし、またロッキングを繰り返すなら。
もし、また手術が必要なら。
その先にあるのは、明るい未来じゃなくて、冷たい現実です。半月板がどうなるか。競技を続けられるか。続けるとして、どういう形になるか。最悪の場合、終わりになるかもしれない。
私は「復帰」を目標に、長い時間を使ってきました。
前十字靭帯の手術。リハビリ。復帰の準備。再受傷。半月板の手術。もう一回、耐える。気持ちを繋ぐ。やり直す。
それを経て、ようやくコートに戻った。
その直後に、またこれです。
「この2年間は何だったんだろう」
頭の中に、その言葉が浮かんだ瞬間、感情が一気に落ちました。
試合中に会場を出た。悔しさが限界だった
その日は、とてもじゃないけど、試合を続けられる状態ではありませんでした。
私は試合中にも関わらず、会場を後にしました。
帰り道、車を運転しながら、どうしても堪えきれなくなって、近くのコンビニに車を止めました。
悔しい。
情けない。
怖い。
いろんな感情が混ざって、どれが本当の中心なのか分からない。でも、とにかく、胸が苦しかった。
このとき、頭の中に重く落ちてきた言葉があります。
「引退」です。
本気で、よぎりました。
これからどうする?答えが出ないまま、ただ立ち尽くした
ここから先、どうするのか。
選択肢はいくつもあります。
- もう一度、手術をするのか
- 半月板の状態次第では、競技そのものを諦めるのか
- 負担を減らして、軽い形で続けるのか
- 下半身を徹底的に鍛えて、守りながらプレーするのか
ただ、どれを選んでも簡単ではありません。
すでに2年間、モチベーションを保つのは大変でした。そこに、復帰直後のこの出来事です。
正直、「また同じだけ頑張れるのか」と聞かれたら、自信はありません。
どうしてこんなタイミングで。
やっと戻ってきたのに。
また振り出しに戻るのか。
これを書いている今も、気持ちは重いままです。
でも、ここで止めたら、本当に終わってしまう気もする。
答えはまだ出ません。
ただ一つ言えるのは、私は今、「また失うかもしれない恐怖」の中にいるということです。
