
どうも!えすひろです。提携先で撮影したMRI画像を持って主治医のもとを再訪し、「前十字靭帯断裂」そして「半月板損傷の可能性が極めて高い」と正式に告げられた日のことを振り返ります。
頭では覚悟していたつもりでも、その瞬間のショックや葛藤は、今でもはっきりと覚えています。
MRI画像で告げられた現実
診察室に入り、主治医と一緒にモニターを見ながら説明を受けました。
指し示されたのは、何枚かの断面画像。そのうちの1枚を見ながら、先生は静かに言いました。
「ここが前十字靭帯なんだけど、本来は一本のきれいな線で見えるはずなんだよね。途切れているから、断裂と考えていいと思う」
「それから、このあたりは半月板も傷んでいる可能性が高い」
初診の時点で「前十字靭帯かもしれない」「半月板も怪しい」と言われていましたし、MRI撮影の説明を受けたときから、心のどこかでは予想していました。
それでも、「確定です」と画像付きで示されると、言葉以上の重さで現実が突き刺さります。
わかっていたつもりでも、ショックは想像以上でした。
バスケットボールとこれからの選択肢
診断結果を踏まえ、今後どうするかという話になりました。
- 手術をして膝の安定性を取り戻し、スポーツ復帰を目指す道
- 手術はせず、日常生活レベルに抑えて「騙し騙し」付き合っていく道
ただし、手術をしない場合については、先生からはっきりと伝えられます。
- 本気のバスケットボールは厳しいこと
- やろうとしても膝がついていかずジャンプ・ストップ・切り返しの動きで膝崩れを起こすリスクが高いこと
- ロッキングや不安定感への恐怖と常に隣り合わせになり、まともに飛ぶことができないこと
この説明を聞きながら、自然と目に涙が溜まっていたと思います。
30代にもなって診察室で泣きそうになるなんて、正直想像していませんでした。
しかもこのとき、ちょうど1か月後にプロテストのような機会を控えていました。
通る自信があったわけではありませんが、プロに精通する人と一緒にプレーする機会を得て、「長年やってきたんだから、本気で目指してみてもいいのでは」と思い始めていた時期です。
練習量を増やし、筋トレも走り込みも再開し、「年齢的にもこれが最後のチャンスかもしれない」と腹を括っていました。
その矢先に「前十字靭帯断裂・半月板損傷の疑いからの確定」です。
手術を選べば、1か月後のプロテストには絶対に間に合いません。
その現実を突きつけられたとき、言葉にならない悔しさでいっぱいでした。
医師の言葉と、最後の望みにかける決断
震える声で、先生に本音を伝えました。
「実は1か月後にプロテストのようなものがあって、そのために練習してきたんです。
手術したら、絶対に間に合わないですよね」
先生は少し考えてから、まっすぐこちらを見て言いました。
「君の気持ちはすごく伝わったよ。手術はいつでもできる。
とりあえず今の膝でやれるところまでやってみようか。僕もできる限りサポートするから」
この言葉に、正直戸惑いもありました。
頭では「無茶だ」と理解している一方で、心は「それでもやってみたい」と強く叫んでいました。
人生でようやく巡ってきたかもしれないチャンス。
チャレンジすらせずに終わらせるなんて、その時の自分には耐えられませんでした。
最終的に、「今の膝でやれるところまでやってみる」という選択をします。
もちろん、その裏側には「きっと無理だ」という冷静な自分もいましたが、それ以上に諦めきれない気持ちが勝っていました。
人生最大の大泣き
病院を出てから家に帰るまでの道のり、必死に涙をこらえていました。
歯を食いしばり、感情を押し込めて、必死にこらえていました。
そして家に着いた瞬間、その糸が切れました。
30代にして、声を上げて大泣きです。
高校生以来かもしれません。それくらい、心の底から悔しかった。
- 「なんで今なんだ」
- 「せめてテストまで持ってくれていれば」
- 「落ちるなら納得できる。でも挑戦すらできないのか」
そんな思いが一気にこみ上げてきて、感情を押さえつけることができませんでした。
努力してきた時間や、覚悟を決めた自分自身を、怪我に奪われたような感覚でした。
今振り返って感じる「筋力不足」と環境のギャップ
後になって冷静に考えると、このときの前十字靭帯断裂には、筋力不足とコンディショニングの問題もあったと感じています。
当時プレーしていた環境は、自分のバスケット人生の中でもトップクラスにレベルが高い場所でした。
その一方で、ブランク明けの時期もあり、筋力が完全に戻りきる前から激しい動きや対人プレーを行っていました。
- 太もも周りの筋力が膝を守れるレベルまで戻っていなかった
- それでもハイレベルな環境で全力でプレーしていた
この条件が重なれば、前十字靭帯や半月板に大きな負担がかかるのは当然です。
「もしもう少し早く真剣に体作りをしていれば」
「もしあと数年若い頃にこの環境に出会っていれば」
そんなタラレバを考えてしまうこともありますが、過去は変えられません。
だからこそ今は、同じようにスポーツで高みを目指す人に、筋力強化・準備不足の怖さを伝えたいと思っています。
同じ診断を受けたあなたへ
前十字靭帯断裂や半月板損傷と告げられると、多くの人が同じように感じます。
- 「もう元には戻れないのでは?」
- 「スポーツ人生が終わったかもしれない」
- 「この先どうすればいいのか分からない」
その不安や喪失感は、とても自然なものです。
ただ一つだけ伝えたいのは、「診断がついたことは終わりではなく、“ここからどうするか”を選べるスタートラインに立ったということ」です。
次回の記事
次の記事では、「復帰に向けてのリハビリ開始(手術前)」についてお話しします。
受傷を受け止めながら、少しずつ前に進んでいく過程を詳しくまとめます。

