右膝前十字靭帯・半月板損傷の疑いで初診へ。膝に水・ロッキング・MRIまでの記録

右膝前十字靭帯・半月板損傷の疑いで初診へ。膝に水・ロッキング・MRIまでの記録

前回は、試合中の着地で右膝に違和感が走り、「あれ?」という感覚のまま歩けなくなったところまでを書きました。
このページでは、その翌日。ほぼ歩けない状態から病院受診、膝にたまった水、ロッキング解除、そしてMRI検査で「前十字靭帯が切れているかもしれない」と言われるまでを、できるだけ具体的に残しておきます。

痛みと腫れでほぼ歩けない朝

一晩たっても状況はまったく好転しませんでした。
膝はパンパンに腫れ、足をまっすぐ伸ばすこともできず、体重を乗せると鋭い痛みが走る状態。
「これで会社に行くのは無理だ」と判断して休みの連絡を入れ、近所で評判の良い整形外科を探しました。

問題は、そこに「どうやって行くか」です。
立ち上がるだけでも一苦労。右足を地面につくだけで膝の奥がズキンと痛み、普通の歩行はほぼ不可能。
今思えばタクシーや救急車を呼ぶという選択肢もあったはずですが、当時の自分の頭にあったのは 「根性で行くしかない」の一択でした。

地獄の道のり、それでも病院へ

自宅は2階。最初の関門は階段でした。
手すりに全体重を預け、左足だけでケンケンで一段ずつ降りていく。衝撃で右ひざも痛むし、「階段ってこんなに多かったか?」と思うくらい長く感じました。階段を降り終わった段階ですでに左ひざに疲労がたまっていました。

駅まで徒歩5分の距離に、約30分。
周囲の人からの視線は正直痛かったですが、それより右膝の痛みのほうが上。
電車で一駅移動してからも、足を引きずりながら、ようやく目当ての整形外科にたどり着きました。

診察室に呼ばれると、先生の第一声はこうでした。
「さっき駅前を歩いてたでしょ?ものすごい足を引きずってて、辛そうだなと思ってたんだよ。来てくれてよかった」
(その時、心の中では「その時点で声かけてくれても…」と思ってしまいました)

初診で伝えられた“強い疑い”

ベッドに横になり、右膝の状態を確認。
腫れ具合を見て、膝を触って、可動域をチェックし、内側や前側にストレスをかけるテストをいくつかされます。

そして先生から出た言葉は、 「これは結構ひどいね。膝に血がたまってるし、前十字靭帯か半月板を損傷している可能性が高い」 というもの。

その一方で、続けてこうも言われました。
「大丈夫。今の腫れと痛みはちゃんと処置すれば落ち着くから」
この一言にはかなり救われました。

膝に溜まった血液を抜く注射

提案された処置は、膝に溜まっている液体(血液混じりの関節液)を注射で抜くこと。
見るからに太い注射針で、正直ビビりましたが、それ以上に早くこの状態から抜け出したかったのでお願いしました。

注射器2本分ほど、赤く濁った液体が抜けていきます。
本来、関節液は半透明ですが、出血があると赤く染まります。
この時点で先生から、「どこかの組織がしっかり傷んでいるサイン」だと説明を受けました。

膝に「水がたまる」とは?

膝の中で炎症や損傷が起きると、関節液(潤滑油のような役割)が過剰に分泌されます。
これがいわゆる「膝に水がたまる」状態です。出血を伴うと液体は赤くなり、痛みや腫れ、可動域制限の原因になります。

ロッキング解除の瞬間

さらに、膝が途中から伸びなくなる「ロッキング」も起きていました。
先生に「力を抜いてね」と言われ、膝を支えられた状態で、かかとを持ち上げて「えいっ!」と一気に伸ばされます。

ゴリッという嫌な音と感覚。ですが、不思議なことに痛みはほとんどなく、その瞬間に膝がまっすぐ伸びるようになりました。
初めて受ける処置だったので本気で「ちょっと待って!?」と思いましたが、手慣れた様子から、同じケースを何度も診てきたのだろうと感じました。

MRIで見えた「現実」

初診の時点では、「前十字靭帯か半月板を損傷している可能性が高い」というところまで。
正確な判断にはMRIが必要とのことで、数日後、提携先のクリニックでMRI撮影を行うことになりました。

この頃には、注射と処置のおかげで歩行はかなり楽になっていました。
「ここまで歩けるなら、もしかしてそんなに重症じゃないのでは?」と、淡い期待も生まれていました。

MRI検査と“切れてます”という一言

MRI検査は、ゴーッという大きな機械音の中でじっとしているだけですが、思ったより時間が長く感じます。
撮影後、その場の先生が画像を確認しながら、こう言いました。

「主治医の先生の正式な診断を待ってほしいけど、前十字靭帯は切れているように見えます」

「切れてるんかい!」あくまで「参考」との前置き付きでしたが、その一言で頭の中が真っ白になったのを覚えています。

2015年に撮影した右膝のMRI画像。前十字靭帯の線がぼやけており、損傷が疑われた。
実際に撮影した右膝のMRI画像。前十字靭帯の輪郭が不鮮明で、損傷が疑われた部分です。

MRIで見る前十字靭帯損傷(イメージ)

正常な前十字靭帯は、MRIで一本のはっきりした白い(または黒い)線として写ります。
損傷している場合、そのラインが途中で途切れていたり、ぼやけていたり、不自然な方向に走って見えることがあります。
画像だけで確定するわけではありませんが、「強い疑い」を裏付ける材料になります。

この段階ではまだ「仮の事実」。
しかし、「前十字靭帯が切れているかもしれない」という言葉は、スポーツを続けてきた自分にとって相当なダメージでした。

次回は、このMRI画像を持って主治医のもとを訪れ、正式な診断と今後の方針を告げられる場面について書いていきます。

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