前十字靭帯再建術後3〜6ヶ月のリアル|ジョギング再開と筋トレ、残る痛みとの付き合い方
術後3〜6ヶ月でジョギングを再開し、回復を実感しながら慎重にトレーニングを進めていく様子を描いたイラストです。

術後3〜6ヶ月は「走れるのに不安が残る時期」

前十字靭帯再建術から3〜6ヶ月のあいだは、周りから見るとかなり普通に動けるように見えてくる時期です。装具も外れ、仕事にも復帰して、ジョギングもできるようになってくるので、「もうだいぶ治ったね」と言われることも増えました。

一方で、自分の感覚としては、

  • 走れるようにはなったけれど、膝の中への信頼はまだ半分くらい
  • 深くしゃがむと痛みが出ることがある
  • トレーニング後の鈍い痛みや重さが気になる
  • 電車や人混みなど、不意の動きにはまだ不安が残る

というように、「見た目と内側の感覚」が噛み合わない、少し複雑な時期でもありました。

3ヶ月目からのジョギング再開

走れるようになった喜びのほうが大きかった

3ヶ月を過ぎたあたりから、ついにジョギングが再開できるようになりました。最初の一歩を踏み出したときは、不安よりも「また走れるようになった」という喜びのほうが大きかったのをよく覚えています。

ゆっくりしたスピードではありますが、自分の足でリズムよく走れることが、リハビリの中で大きな節目になりました。「ああ、本当にここまで来たんだな」と実感できる瞬間です。

毎日走ると、仕事との両立は正直こたえる

走れるようになると、うれしくてできるだけ毎日走りたくなります。可能な限り毎日走るようにしていましたが、仕事をしながらとなると、かなり身体にこたえます。

朝から仕事をして、通勤や立ち仕事で膝にはそれなりの負荷がかかっています。そのうえでジョギングや筋トレも積み重ねていくと、膝そのものだけでなく、全身の疲労感もたまっていきました。

「走れる=完全に治った」というわけではなく、むしろここからは、疲労との付き合い方を考える時期だったなと振り返って感じています。

高強度のトレーニングと痛みの出方

3ヶ月を過ぎるとハーキーやサイドステップもこなせるように

3ヶ月を過ぎたころには、ハーキーやサイドステップなど、強度の高いトレーニングもこなせるようになっていました。

もちろん最初は怖さもありましたが、実際にやってみると「思っていたより動けるな」と感じることも多く、回数を重ねるうちに、「このくらいの動きなら大丈夫そうだ」と感覚的にわかってきます。

ただし、これはあくまで私自身のケースであって、やる内容やペースには個人差が大きい部分だと思います。

押したり捻ったりするとまだ痛い

高強度のトレーニングができるようになってきた一方で、膝の周りを押したり、少し捻るような動きをしたりすると、まだ痛みが出ることもありました。

ジャンプやサイドステップそのものはこなせても、膝の深い部分には「まだ完全ではないな」という感覚が残っています。トレーニング後は強い痛みではなくても、「ズン」とした重さや、じわっとした違和感が出ることがあり、そのたびに慎重に様子を見ながらトレーニングを続けていました。

半年まではとにかく筋トレの積み重ね

私の感覚では、術後半年までは「とにかく筋トレの期間」という印象が強いです。走れるからといって走るだけに偏るのではなく、

  • 太ももの前後(大腿四頭筋・ハムストリング)の筋力アップ
  • お尻まわりの筋力強化
  • 片脚で支えるバランストレーニング

といった地味なトレーニングを、コツコツ積み重ねていくことが大事だと感じていました。

筋トレはすぐに結果が見えるものではありませんが、「半年までは土台作り」と割り切って続けていたことが、あとから思えば大きかったように思います。

装具がなくなってからの“電車の怖さ”

見た目は普通なので、周りは気を使ってくれない

この頃になると、膝の装具も外して生活するようになります。これは一つの前進ではあるのですが、同時に「周りから見て怪我をしているとはわからない」という状況にもなります。

電車に乗るときは特にそれを強く感じました。装具が付いていないぶん、周りの人からすれば完全に「普通の人」に見えますし、こちらが膝をかばっていることにも気づきません。

電車や人混みは、意外と負荷が高い

電車の揺れや急なブレーキ、人がぶつかってくるような場面は、膝にとっては意外と負荷の高いシチュエーションです。特に、

  • 満員電車で踏ん張らなければならないとき
  • 人の流れに押し流されるようなとき
  • 急に立ち上がらなければならないとき

などは、「膝を変な方向に持っていかれないかな」と不安になることが多くありました。

見た目は普通に戻っていても、自分の中ではまだ「守りながら動いている」時期だったと思います。

深くしゃがむときや、運動後に出る痛み

深くしゃがむとまだ痛みが出る

正座や階段の昇り降りなどは早い段階からこなしていましたが、深くしゃがみ込む動きになると、3〜6ヶ月の時期でもまだ痛みが出ることがありました。

浅いしゃがみ込みや、ゆっくりとした動きであれば問題なくても、深い位置まで体重を乗せると、膝の奥が「キリッ」とするような感覚が出ることがあります。ここは最後まで慎重になっていた部分です。

走り終わったあとや筋トレ後の「じわっとした痛み」

ジョギングや筋トレを終えたあとにも、少し痛みが出ることがありました。鋭い痛みというより、膝の奥がじんわりと重くなるような感覚で、「使ったな」という疲労と一緒にやってくる感じです。

不安がゼロだったわけではありませんが、「怪我をしている以上、この手の痛みとはある程度付き合っていくものなのかもしれない」と、どこかで受け入れていたところもありました。

もちろん、明らかにおかしい痛みや腫れがあれば別だと思いますが、「使ったあとに少し痛い」「重だるい」という感覚については、ある程度はついてまわるものとして受け止めていました。

術後3〜6ヶ月を振り返って感じること

膝を保護しながらランニングを再開した時期ランニング中に膝サポーターを着けた男性のフラットイラスト
膝を保護しながらランニングを再開した時期のイメージイラスト。無理のない範囲で日常の運動を積み重ねていく段階を表現しています。

振り返ってみると、術後3〜6ヶ月は、

  • ジョギングや高強度トレーニングができるようになる
  • 筋トレの手応えも少しずつ感じられる
  • 日常生活もほとんど問題なく送れる

といった前向きな変化が見える一方で、

  • 深くしゃがむと痛みが出る
  • 運動後の重だるさや不安が残る
  • 装具が外れたことで周りの目と自分の感覚に差が出てくる

というように、まだまだ「完全に安心して動ける」状態ではなかった時期でもありました。

それでも、「この痛みや違和感も含めて、怪我をしたあとの身体なんだろうな」と少しずつ受け入れていったことで、気持ちは少しラクになっていったように思います。

これから術後3〜6ヶ月を迎える方にとって、この時期の揺れる気持ちや、走れるようになってからの不安が「自分だけではない」と感じてもらえたらうれしいです。

この先のステップと関連記事

このあとも、半年以降〜1年、さらにその先へと時間をかけて、膝との付き合い方は少しずつ変わっていきました。別の記事では、

といったテーマもまとめていますので、気になるところがあればあわせて読んでみてください。

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